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おかえり武藤!船木と一騎打ちは壮絶ドロー

 「全日本」(10日、後楽園ホール)

 四半世紀の時を超えて実現した一騎打ちは痛み分けに終わった。4月の右ひざ手術を経て半年ぶりに復帰した武藤敬司(47)と、新日本時代の同期・船木誠勝(41)が王道マットで激突した1985年以来のシングル対決は、プロレスと総合格闘技の必殺技がスパークする死闘となった。30分フルタイムを戦い抜いたが決着はつかず、壮絶なドロー。近い将来、両雄の3度目対決に期待が膨らんだ。

  ◇  ◇

 残り20秒。ヒザに爆弾を抱える武藤は、ここまで封印してきた大技を繰り出した。

 85年4月1日、新日本の「第1回ヤングライオン杯」公式戦での初対決で、当時22歳の武藤が、同年3月に16歳になったばかりの船木を8分2秒で粉砕した月面水爆だ。四半世紀の時を超えて繰り出した技は船木を直撃したが、決め手に欠け、試合終了のゴングが鳴った。

 ゴング直後、武藤はいきなりドラゴンスクリューからの閃光魔術という定番コースで船木を場外に転落させた。グランドでは船木が繰り出す関節技に付き合った。プロレスから総合格闘技まて、引き出しの多さを披露した武藤の真骨頂だ。

 場外戦では船木がミドルキックを連発。武藤がその足を取ってドラゴンスクリューで倒し、リングに戻ればバックドロップで船木を投げてエルボー弾。船木が腕ひしぎ、ミドル連発で反撃すれば、武藤はドラゴンスクリュー。先にリングに戻った武藤は、ドラゴンスクリューからの足4の字固め。最後まで魅せた。

 武藤は「毛穴という毛穴から魂が抜けた。オレが簡単に負けたら、船木も上がり目がない。だからに船木のためにも負けられなかった」と深い息を吐いた。このままでは終わらない。王道マットでの“続編”は必至だ。

(2010年9月12日)
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