「レスリング世界選手権第4日」(9日、モスクワ)
女子63キロ級で、3年ぶりに出場した五輪2連覇中の伊調馨(綜合警備保障)が決勝でエレナ・ピロズコバ(米国)を2‐0で退け、6度目の優勝を飾った。
休養前と変わらない盤石な戦いを見せたが、伊調馨は笑みを浮かべながら首をひねった。「自分のレスリングの半分も出せていない。(出せたのは)15パーセント」と内容は辛口の評価。北京五輪後約1年充電。復帰後に練習環境を変え、新たなスタイルの確立を模索している。3大会ぶりの世界選手権だが、各ピリオド残り30秒から攻めて「1‐0で取る」堅実さは以前のまま。より攻める姿勢を見せるなど、ロンドン五輪に向け進化の一歩を刻んだ。
(2010年9月10日)