ホーム > スポーツ > スポーツ最新紙面記事

吉田、失点なし“完全V”で8連覇

 優勝し、栄和人監督(右下)とともにガッツポーズの吉田沙保里。左は父親の栄勝さん=モスクワ(共同)
 優勝し、栄和人監督(右下)とともにガッツポーズの吉田沙保里。左は父親の栄勝さん=モスクワ(共同)

 「レスリング世界選手権第4日」(9日、モスクワ)

 女子55キロ級で2004年アテネ、08年北京両五輪覇者の吉田沙保里(27)=綜合警備保障=が決勝で昨年59キロ級優勝のユリア・ラドケビッチ(アゼルバイジャン)を2‐0で下し、女子最多優勝を更新する8連覇を達成した。五輪を合わせると10度目の世界一。63キロ級は3年ぶりに出場した五輪2連覇中の伊調馨(綜合警備保障)が決勝でエレナ・ピロズコバ(米国)を2‐0で退け、6度目の優勝を飾った。

 10日の第5日は、女子72キロ級が行われ、浜口京子(ジャパンビバレッジ)は準決勝で敗れ、7年ぶりの優勝を逃し、3位決定戦に回った。

  ◇  ◇

 最後は正面からのタックルで勝負を決めた。信念を示す豪快な勝ちっぷりに「(五輪2連覇と合わせて)世界10連覇は気持ちいい。やっぱり攻める選手が強い」。吉田が達成感をにじませた。

 ここ数年は相手の懐に飛び込むタックルが警戒され、簡単に入れなくなった。研究されれば、さらに上をいくだけ。腕を使って相手を組み止めたり、崩したりなどと技術を磨いてきた。

 鋭いタックル一辺倒だった戦い方が多彩になり、栄和人監督が「大人のレスリングになった。芸術的といってもいい」と絶賛するほど、武器の攻撃力に緩急がついた。

 攻撃は最大の防御という言葉通り、5試合すべて無失点の完全優勝。それでも無敵の27歳は「完ぺきはない。もっと高いところを目指さなければいけない」と手綱を締めた。自らが持つ女子最多優勝の記録を更新したが、あくまでも通過点にすぎない。「日本女子で五輪3連覇はいないので、ロンドン(五輪)ではだれも成し遂げたことがないことをやりたい。明日から練習したい」と意気込んだ。

(2010年9月10日)





Copyright(C) 2010 デイリースポーツ/神戸新聞社 All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp