県内ニュース「さくらんぼ小」問題、困惑や安堵さまざま
2010年09月11日 10:34
アダルトサイトと同名だったことから、東根市が来春開校の新設小学校「さくらんぼ小」の校名について、一転して変更する方針を示した翌日の10日、市教育委員会は新校名の候補選びなど対応に追われた。既に完成していた校歌と校章の制作者は校名が決まり次第、修正を加える予定だが、「大幅な変更となると大変だ」と困惑気味。保護者や市民からは「安心した」とする声の一方で、市に対する批判や校名変更に伴う新たなコスト発生への懸念も聞かれる。
市教委は同日朝から、新校名の候補をネットで検索し、アダルトサイトがヒットしないかを確認。職員約20人でほかの課のパソコンも使いながら、ヤフーやグーグルなど数種類の検索サイトを利用して調査した。校名全体では問題はないものの、一部を入力すると不適切と思われるサイトが表示されるケースも。検索を繰り返しての確認作業は午後9時すぎまで続いた。 一方、校名変更に伴う波紋も広がる。校歌の作詞作曲を担当した山形市出身の作曲家服部公一さん(77)=神奈川県鎌倉市=は「まさに青天のへきれき。校名によっては大幅に修正を加えることになり、スケジュール的に大変だ」と戸惑いを口にし、「かなりの自信作だっただけに非常に残念。曲調や歌詞を変えることは身を切られるような思いだが、仕方がない」と肩を落とす。 新設小学校に通うことになる児童の保護者の反応はさまざま。3年女子の子ども持つ父親(36)は「子どもたちが好奇の目にさらされる心配があり、変更して良かった」と胸をなで下ろす。5年女子の母親(45)は校名変更に賛成しながらも「市はもっと早いうちに手を打つべきだった。校章や校歌が完成した後では、変更料などで市民の税金が無駄になる可能性もある」と市の対応を批判する。 一方、別の5年女子の母親(45)はさくらんぼ小のままで良かったというスタンス。「校名変更の理由を知った子どもたちが、逆にアダルトサイトを意識する結果になりかねない」と指摘する。小学生の子どもが2人いる母親(40)も「校名が話題になったことで、子どもたちが興味本位でアダルトサイトのさくらんぼ小を見ないか心配だ」と不安を口にした。
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