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【放送芸能】

秋の番組改編で民放テレビ 地上波ならではのカラー模索

2010年9月10日 朝刊

 秋の番組改編で民放テレビ二局がドラマ枠を新設する。テレビ東京は視聴率を左右する五十代以上、フジテレビは元来テレビが存在感を発揮してきた日曜日のお茶の間がターゲットという。完全デジタル化を来夏に控え、BSなどが視聴率をじりじり伸ばす中、「地上波ならでは」の魅力を打ち出すことが各局の大きなテーマとなりつつある。 (早川由紀美)

 月曜午後十時に、十年ぶりの連続ドラマ枠を新設するテレビ東京。福田一平編成部長は「M3、F3(視聴率区分でそれぞれ男性、女性の50歳以上)をいま一度、この手に取り戻したい」と、狙いを切実に語る。

 八月一日、地上波のNHKと民放キー局五局を除いた、BSやCSなどの「その他の局」の視聴率の合計が、関東地区で過去最高の10%を突破。デジタルテレビの普及が進み、「民放各局は“その他視聴”に痛い目にあっている」と、背中から忍び寄る足音に危機感を募らす。

 「流出しているのは主に五十代以上。その年代層に、視聴率至上主義のガチャガチャしたものが飽きられ始めているのではないか」。その反省のもと、「目の肥えた大人」をターゲットに据えた改編の目玉が社会派ドラマという。

 時代劇に挑戦して撤退、昼帯に挑戦して撤退…と、同局のドラマ史は苦渋に満ちているが「今回は粘ります」と意気込む。

 六年連続で年間視聴率三冠王のフジテレビも、日曜午後九時の「エチカの鏡」を終了してドラマ枠を新設。同時間帯のTBSの老舗ドラマ枠「日曜劇場」とガチンコ対決となる。

 「日曜九時という、家族がリビングルームに集まる最高の環境で、ドラマを楽しんでもらおうと考えた」(現王園佳正編成部長)。ドラマは近年、大ヒット作が少なくなっているが「タイムテーブルを強化しないと、お客さんがついてきてくれない。勝算があるわけではないが、新しいものを見せたい」(小川晋一編成担当局長)という。

 一方、「四月改編では残念ながら結果が出ていない」とするTBSは、これまで「ROOKIES」などのドラマを放映してきた土曜午後八時を十一月からバラエティー枠に。「かつての土曜八時はドリフ(TBS)、ひょうきん族(フジ)のバラエティー戦争だった。原点に戻ってやっていきたい」とする。

 日本テレビは「太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中」などを終了して、金曜午後七〜九時に「金曜スーパープライム」と題した二時間枠を新設。バラエティーや情報、ドラマ、報道、スポーツなど、ジャンルにかかわらず「新しいものづくりのチャンスのある枠としたい」という。

 テレビ朝日は四月改編で、プライムタイム(午後7〜11時)の視聴率が上昇。好調を維持しており、今回の改編は小幅となっている。

 

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