【スポーツ界 我らの時代がやってくる】岩本貴裕(広島・外野手)
【野球】
2010年9月11日 掲載
2カ月間で14本塁打 低迷カープの希望の星
●純愛
広島商時代の同級生の佑香さんと今年1月に入籍。挙式、披露宴は今季終了後に行う。高1の冬から交際し、亜大時代の4年間は東京と広島の遠距離恋愛を乗り越えた。
「(佑香さんは)文化系なので野球のことは全然知らないけど、それが逆に癒やされる」(本人)とベタ惚れ。プロに入ってから知り合った女子アナやモデルと結婚するチームメートが多く、「焦って結婚しなくてもいいのでは」という周囲の雑音をものともせず、同級生との9年越しの愛を実らせた一途な男。
●筋金入り
小学生の頃にカープのファンクラブに入り、広島市民球場のライトスタンドに通い詰めた。当時、手に入れた金本のサインボールは宝物。今でも実家に置いてある。
●丸刈り
1月に亜大の先輩・永川や東出、前田健、斉藤らと行った沖縄自主トレで悲劇が起きた。新婚ということもあり、直前にソフトモヒカンでバッチリ決めて沖縄入り。が、永川に「中途半端だから切った方がいい」と言われ、室内練習場で即席の断髪式が行われた。問答無用で永川にバリカンを入れられ、腹を決めた岩本は、途中から自らの手でバリカンを持って丸刈りに変身。今でもこの髪形をキープしている。いじられキャラの人気者は、何があってもニコニコ笑顔で動じない。
●住まい
広島市民球場近くの約85平方メートルの3LDKマンションに夫人と2人暮らし。家賃15万円。マツダスタジアムまでは車で10分。
●愛車
「あまり人が乗っていない車がよかった」と全長が5メートル近くもあるアメ車の黒のダッジ・チャージャーを乗り回す。20インチのホイール(国産大衆車は14~15インチ)に改造。燃費は悪くなるが見た目が気に入っている。新古車で約500万円で購入。
●飯と酒
酒はあまり好きではないが、「大学時代に鍛えられた」とビールや焼酎など、一通り飲めるようになった。高校時代は75キロと細身だったが、「吐くまで食べさせられた」という大学時代に15キロ増量。現在の体格をつくった。今でも最低どんぶり2杯。遠征先でチームメートの嶋らと焼き肉店に行けば、5人前は軽く平らげるチーム随一の大食漢。安価な大衆中華料理店で大皿料理を次々と胃袋に放り込み、2万円分近く平らげて関係者を唖然とさせたこともある。
●ブーム
家では任天堂Wii(ウィー)の「マリオカート」でリラックスする。
●T―岡田
以前は右足を上げるフォームだったが、6月10日の二軍戦で突然、朝山二軍打撃コーチに「ムダがないすり足打法に変えてみろ」と指示された。「T―岡田打法です」というノーステップにフォーム改造し、確実性がアップした。
●師匠
キャンプから熱血指導してきた内田打撃統括コーチは「まだまだ全然ダメ。T―岡田打法はいいけど、岩本なりに進化させないと。構えた時にしゃがみ過ぎて伸び上がって打っているから、もう少し高く構えるように微調整している段階」と厳しい。
●逆方向
中堅から左翼方向へも本塁打できるのが特徴。「飛距離は天性のところがあるけど、逆方向への打球が伸びるのは左手の押し込みが強いから」(内田コーチ)。井上打撃投手は「ウチで一番打球が速い。4番の栗原より上でしょう」と証言する。
●変化球
変化球への対応が課題。「前田智さん、巨人の高橋由さんなどがお手本。曲がり切らないうちに打つために、打席では前の方に立っています」(本人)と試行錯誤している。
●水族館
「趣味は運転」のため、休日は夫人が好きな水族館へ2人でドライブすることが多い。山口・下関の「海響館」(片道2時間)、島根・浜田の「アクアス」(同1時間)がお気に入り。リニューアル工事のため閉鎖中の広島で唯一の水族館「宮島水族館」のオープンを夫婦で心待ちにしているという。
▽いわもと・たかひろ 1986年4月18日、広島県生まれ。24歳。広島商から亜大を経て、08年のドラフト1位で広島に入団。昨季は14試合出場で打率.152、1打点、0本塁打に終わった。182センチ、90キロ。左投げ左打ち。家族は妻。推定年俸1400万円。