農林水産省関東農政局は10日、調味料の添加物の一部を表示していなかったとして、中華やエスニック料理の調味料などを製造する食品会社「ユウキ食品」(東京都調布市)に対し、日本農林規格(JAS)法に基づき改善を指示した。同社は農政局に対し「隠し味として使った。企業秘密と考えた」などと釈明したという。
農政局によると、同社は「中国料理用顆粒(かりゅう)ガラスープ」「オイスターソース」など9種類18商品について、原材料として使った食品添加物のトレハロースや食酢、酵母エキスなどを表示していなかった。商品は08年1月~今年6月に全国で約415万個販売された。トレハロースなどの使用を隠したことについて農政局は同社が意図的だったことを確認し、表示の是正や再発防止を求めた。
農政局担当者は「食品の安全性に問題ないが、調味料の原材料を隠すという事案は聞いたことがない」と話している。同社はホームページ上で謝罪し、正しい表示での出荷対応や、再発防止に努めることを明らかにした。【石川隆宣】
毎日新聞 2010年9月10日 19時32分(最終更新 9月11日 1時44分)