沖縄県議会事務局は10日、県内の米軍基地がすべて返還された場合の経済波及効果の試算結果を発表した。試算によると、基地が全面返還されて跡地利用が進むと、生産誘発額は現在基地がもたらしている金額の2.2倍の9155億5000万円に拡大。雇用者の年間所得額は現在の2.1倍となり、雇用者も現在より2.7倍に増えるとしている。
試算はこれまでの県議会の質疑で、米軍基地の経済波及効果と返還されたときの効果が明らかになっていなかったことを受けて事務局が実施。17日発行の県議会の政務調査資料に掲載する。
県の調べでは、県内企業と米軍との商取引や、基地がある市町村が国から受ける交付金など、米軍基地があるために県内に投じられる金額は2003~07年度の平均で年間3255億8400万円。事務局はこの金額を基に、産業連関分析を使って経済波及効果を算出した。
試算によると、米軍基地があることによる生産誘発額は年間4206億6100万円。生産に伴う雇用者の年間所得額は1154億1000万円で、このために3万4541人の雇用者がある。
一方、基地がすべて返還された場合も試算。過去に返還された那覇新都心などのように跡地利用が進んだと仮定し、現在の県の経済力を加味して、実現可能な経済波及効果を算出した。その結果、基地返還後の生産誘発額は商業地の拡大などで基地による誘発額の2.2倍。生産に伴う雇用者の所得も2.1倍の2409億7700万円で、雇用者数は現在の2.7倍の9万4435人となる見込みだ。
試算では、日米両政府が現時点で返還対象としていない嘉手納基地以北の米軍施設の跡地利用にも言及。本島北部の米軍基地は山林が多いが、林業や農業への利用が可能としている。
試算結果を発表した県議会の高嶺善伸議長は「本島の20%近くを占める米軍基地のために、県経済が得られていない逸失利益の大きさを痛感した。試算結果を今後の沖縄振興の議論のたたき台にしたい」と語った。
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