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[ICON]大前研一「ニュースの視点」

日本で愚直にものづくり?〜今こそ発想転換、稼ぐための新しい仕組みを考える時

大前研一

提供:大前研一「ニュースの視点」

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中国自動車市場中国自動車大手の投資計画抑制へ
トヨタ自動車拡大路線からの転換を強調
三菱自動車海外売上高比率が過去最高を更新
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▼中国の自動車産業はもっと集約されるべき、30社は多すぎる
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中国政府は4日、中国国内の自動車大手30社の増産計画を合計すると2015年末の自動車生産能力が3100万台以上に達すると明らかにしました。

一部が輸出に回る可能性はあるものの、計画通りに工場建設が進めば供給能力は国内需要に対して4割以上も過剰となる見込みとのことです。

米国でさえ1600万台〜2000万台というレベルですから、この中国の3000万台という数字は大きすぎます。

おそらく約1000万台は余分でしょうし、また自動車大手30社という企業数も過剰だと思います。米国もかつては数十社の自動車会社がありましたが、最終的には3社に集約していきました。日本では米国ほどの集約が進まず、国内に9社の自動車メーカーがあります。

日本の9社でも多すぎると言われ続けてきたことを考えても、中国の30社というのは飛び抜けています。

これまで中国は「国産優遇」ゆえの「輸入抑制」を推し進めてきました。その結果、明らかな「作り過ぎ」の状態になっていると私は思います。

こうした傾向は鉄鋼産業においても見ることができます。中国の粗鋼生産量は約6億トンで世界のトップシェアですが、この6億トンのうち1億トンほどは余分ではないかと私は見ています。

鉄鋼でも自動車でも、中国都合の国内優遇施策ゆえに大量に生産された「余り」が、輸出に振り向けられることがあるとしたら、とんでもなく迷惑な事態を招くでしょう。

約1000万台の「余った自動車」が中国から輸出されれば、世界中の自動車メーカーには相当の悪影響になると思います。

インドは中国と同様、大きな成長市場ですが、スズキ1社で50%のシェアを占めています。いくら中国が成長市場だとしても、30社という数はさすがに多すぎます。

世界へ悪影響を及ぼす前に、市場を集約させる方向へ動いてもらいたいと私は思っています。

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▼ものづくりの発想だけではメーカーは生き残れない
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トヨタ自動車の豊田章男社長は3日、「規模の追求だけの成長でなく、いい車づくりを目指す」と述べ、拡大路線から転換する姿勢を明らかにしました。

また急速な円高には「状況は大変厳しい」との認識を示す一方、「日本でのものづくりにこだわる」と強調したとのことです。

このトヨタの方針は、今のトヨタにとっては良くないのではないかと私は感じました。

「日本にこだわる」「拡大路線から転換する」という方針が、トヨタ自身の体質を大きく狂わせてしまう可能性があるというのが理由の1点目です。
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大前研一「ニュースの視点」

大前研一

経営コンサルタントであり、平成維新の会後の特定非営利法人「一新塾」創立者。株式会社大前・アンド・アソシエーツ代表取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役、ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長。

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