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「ふっと心が緩むCM」でアピール

2003年クリエーター・オブ・ザ・イヤー 斎藤 和典 さん


 略歴 北海道札幌市出身。多摩美術大学卒業。1984年電通入社。ACCグランプリ、ニューヨークフェスティバルグランプリ、テレビ広告電通賞など受賞歴多数。

 「燃焼系、燃焼系」の歌声と、日常シーンで超人的な運動をする映像が印象的なサントリーの飲料「アミノ式」のCM制作責任者である斎藤和典さん。今年3月に日本広告業協会から2003年の「クリエーター・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。これまでに数々のCMを制作してきた斎藤さんに、広告クリエーターの仕事について聞いた。

 美術大学を卒業し、アート採用で電通に入社。アートディレクターとして3年、CMプランナーとして19年のキャリアを重ね、2003年からクリエーティブ・ディレクターとなる。

 「アミノ式」の昨春の1作目は、CM制作を統括するディレクターとなって最初の作品だった。


話題を呼んだ「ピラミッド高校生」編

 「歌は部下のCMプランナーの作詞・作曲で、聞いてすぐに『強いな』と思いましたが、映像案が物足りなくて、ずいぶん議論してアイデアを磨きました」

 斎藤さんは、CMに3つのアイデアを盛り込むことを心がけている。

 「アミノ式の場合は、歌、誰も見たことがない映像、そんな超運動が日常のなかにある、という3つ。すごいことを、すごいでしょうと見せずに、力を抜いて見せたかった」ということで、ふつうの女子高生が駅で宙返りするなどの「日常の超運動」シリーズは、毎回できそうな人間を探すことから始まり、2か月近く練習して撮影される。

 これまでの仕事では、子供のころから大好きだったヒーローものの記憶を生かしてキャラクターCMを作ったり、ものまねで人を笑わせた経験を生かして、ふっと笑えるCMを作ったりと、常に自分の好きな世界を深めながら仕事をしてきたという。

 「人間って笑いが出ると、ふっと心が緩むでしょ。15秒CMを見てもらうためには、笑いは有効なコミュニケーション手段。だから、ぼくのCMにはギャグを意識したものが多いですよ」

 これからクリエーターを目指す若者には、「自分の好きなこと、面白いと思うこと」を増やすことを勧めるという。「アイデアは自分の好きな世界、面白いと思った記憶からしか出てこない。いろいろな経験をして、自分の好きな世界を広げたり、深めたりしてほしいですね」

2004年5月25日  読売新聞)

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