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【スポーツ】

西山大希が初出場で銀メダル 男子90キロ級

2010年9月11日 紙面から

男子90キロ級決勝、ギリシャのイリアス・イリアディス(右)を攻める西山大希

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◇世界柔道選手権<第2日>

(10日)東京・国立代々木競技場▽男子90キロ級、81キロ級、女子70キロ級▽参加111カ国・地域

 初出場の男子90キロ級・西山大希(19)=筑波大=が、銀メダルを獲得した。決勝はアテネ五輪81キロ級金メダルのイリアス・イリアディス(ギリシャ)に延長戦の末に一本負けした。同81キロ級の高松正裕(28)=桐蔭学園高教=、女子70キロ級の国原頼子(24)=自衛隊=はともに準決勝で敗れた後、3位決定戦を制して銅メダルを獲得。男子90キロ級で世界ランク1位の小野卓志(30)=了徳寺学園職=は3回戦敗退した。

 日本柔道界にとって世界選手権100個目の金メダルには届かなかった。「金メダルの期待にこたえられず、申し訳ない気持ちでいっぱい」。西山は顔をしかめた。だが、価値ある銀メダルだ。

 4月の選抜体重別で、今季世界ランク1位の小野に次いで2位となり、初の代表入りを決めた。若さを買われての参戦。“力試し”のはずが、思わぬ重圧を背負わされた。小野が3回戦で早々と敗退。準決勝に進んだ男子81キロ級の高松、女子70キロ級の国原も敗れた。会場の期待を一身に浴びて臨んだ準決勝に勝ち、日本勢で唯一決勝にコマを進めた。イリアディスとの決勝は延長に持ち込んだものの粘り負け。「小外刈りにいこうと思ったが入る前にやられた。あそこで決められるかどうかが一流と二流の差」。西山は悔やむが、篠原監督は「昨年はジュニアに出ていた選手。2位とはいえ、よくやった」と合格点を与えた。

 73キロ級強化選手である一つ下の弟、雄希(筑波大)とともに幼いころから父・太郎さんのスパルタ指導を受けた。派手に殴られたこともあるが、「土壇場で父に教えてもらったことが出ている」と感謝する。現在は実家を離れて弟と2人暮らし。その弟からは「金を取ってほしくない。どうせなら2人で取ろう」というメールが来た。「その通りになってしまった」。西山は苦笑いしたが、「これで弟と切磋琢磨(せっさたくま)して、来年は弟と2人で金メダルを取りたい」と前を向く。悔しい銀メダル。しかし、もっと大きな目標ができた。 (斎藤正和)

 

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