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【大リーグ】

広島かメジャーか揺れる黒田…

2010年9月11日 紙面から

 残るべきか、戻るべきか−。今季で契約満了のドジャース・黒田博樹投手(35)が注目される来季去就に関し、ド軍を含めたメジャー残留か広島復帰かの二者択一に絞っていることが10日、分かった。黒田は今季自身最多の10勝。今オフのFA市場は先発投手が手薄なことから、ド軍を含めた数球団が好待遇を用意して“黒田争奪戦”を展開するのは必至だ。ただ古巣・広島は、来季で2年目を迎える野村体制の強化へ向け元エースの復帰を想定。10日(日本時間11日)のアストロズ戦に先発する右腕の胸中は揺れに揺れている。

 「まだ何も決めていない」。レギュラーシーズン終了まで残り21試合。黒田は周囲に来季去就に関して明言を避けているが、それも無理はないだろう。今季は開幕からローテを一度も外れることなく自己最多の10勝。今オフには、ドジャースとの3年契約が切れFAとなるが、日増しにメジャー残留の思いが膨らんでいるのは想像に難くない。

 追い風もある。今オフのFA市場は先発投手陣が手薄で、大物と断言できるのはレンジャーズの左腕リーのみ。勝ち星以上に評価の高い黒田が市場に出ればド軍を含めヤンキース、マリナーズら資金力豊富な球団が好待遇を用意し、争奪戦を繰り広げる可能性があるからだ。

 ただ、黒田の悩みに悩む最大の理由は広島復帰にほかならない。07年オフに球団にメジャー挑戦を訴えド軍に移籍。その際に球団関係者に「3年間はアメリカへ出稼ぎにいかせてください。その後は広島に戻って投げます」と“約束”した経緯がある。球団側も黒田復帰に備え、背番号「15」を誰にも譲渡せず“半永久欠番”として凍結。オフの自主トレ場所として快くマツダスタジアムを黒田に提供するなど、蜜月関係を続けてきた。

 野村監督も親しい関係者に「黒田を戻す」と漏らしており、実現すれば来季は前田健と両右腕エースが誕生。球団念願のクライマックスシリーズ進出へ勝負をかける意気込みだ。

 果たして、黒田が出す結論はメジャー残留か広島復帰か−。いずれにせよ、日米をまたにかけたその動向に注目が集まる。

 

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