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【社会】

反捕鯨家到着で連日ピリピリ 「ザ・コーヴ」の太地町

2010年9月8日 朝刊

 和歌山県太地町で伝統的なクジラとイルカ漁が解禁になった今月1日以降、反捕鯨を訴える欧米の活動家らが連日、姿を見せ、ピリピリしたムードの中で漁が続いている。

 追い込み漁が行われている畠尻(はたじり)湾では、連日漁船が出漁しているが、捕獲されたのは2日の約20頭、5日の10頭だけ。水族館や博物館に売却するため若いイルカを分ける選別作業が同湾であり、活動家らの関心を集めている。

 欧米からの活動家らのほとんどは、ドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」に触発されたようだ。米国ロサンゼルスの会社社長、リチャード・ロンドンさん(59)は「米国人も奴隷制を文化だと思っていた時代があった。イルカ漁も悪い文化だからやめてほしい」と話し、漁の様子を撮影。映像はインターネットで流し、実態を世界に訴えるという。選別作業を見ていた米国人男性(65)も「食べるのも、博物館で飼うのもかわいそうだ」と語った。反捕鯨団体シー・シェパードを名乗る活動家は現れていない。

 太地町漁協の杉森宮人参事は「外国人が来るのは年中行事になったが、いいかげんにしてほしい」とうんざりした表情だ。 

 

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