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橋下知事、朝鮮学校の教育内容調査 「権力崇拝はだめ」

2010年9月1日8時4分

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 「日本では教育の中立性を守っており、権力崇拝は許されない。国は、違法な教育内容であったとしても公費を入れるのか」。大阪府の橋下徹知事は31日、府庁内で朝日新聞の取材に、文科省の専門家会議の報告書を批判した。

 大阪府は今年度予算に、大阪朝鮮高級学校(大阪府東大阪市)の生徒についても、授業料無償化のための府独自の補助金を計上したが、橋下知事は執行を留保。府内の朝鮮学校10校への既存の振興補助金(生徒1人あたり約7万円)の打ち切りも示唆した。

 橋下知事が朝鮮学校の教育内容でこだわるのは、北朝鮮指導者の個人崇拝につながりかねない教科書の記述などだ。この点については、無償化適用の反対派から批判が繰り返し出ていた。しかし、文科省の専門家会議の報告書は「具体的な教育内容については判断基準としない」とした。

 これに対して、府は教科書の記述についても踏み込み、調査を進める。5月に教育学や朝鮮語の専門家、私立高校校長ら計4人の作業部会を独自に発足させ、作業部会は大阪朝鮮高級学校の「現代朝鮮歴史」の授業などを視察した。府の関係者によると、補助金支給の是非を判断する際、最も問題になりそうなのは、この科目だという。

 同科の教科書では、「敬愛なる金正日(キム・ジョンイル)将軍様」と表記したり、大韓航空機爆破事件(1987年)について「韓国政府が捏造(ねつぞう)した」としたりしている。拉致問題についても反省する表現はみられないという。作業部会はこうした点も含めて検討し、9月中にも提言をまとめる方針。

 橋下知事はこれまでの取材で「僕が求めていることに朝鮮学校側がきちんと答えなければ、お金は出さない」と発言。一方で、民族教育については31日、「政治的中立が保たれていれば、問題ない」と話した。

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