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なんと3時45分に起床。すげえ。
既に辺りは明るかった。
高緯度だからか。
しかし、昨日ほどではないにしろ寒い。
パッキングに手間取り、5時出発。
今日の旅程にはエサヌカ線がある。
これが、今回の旅行のメインなのだ。
エサヌカ線というのは、原野の中を突っ切る、どこまでもまっすぐな道。
それがすぐそこにあるのだ。
それを考えただけで顔がニヤニヤしてくる。
浜頓別の市街を出るとこでセイコーマートがあったので、あったかいコーヒーを買った。
店員のおじさんが親切な人で、ライターをくれた。
自炊旅行者としてはとてもありがたい。
エサヌカ線の入口はかなりわかりにくい。
何の看板もないのだ。
なので、一応写真を貼っとく。
エサヌカ線は本当にどこまでもまっすぐな道だ。
道の写真をたくさん撮った。
エサヌカ線は、15、6kmくらいあるので
徒歩での踏破は5,6時間ほどかかる。
それだけの間、建物が全くないところを通るのだ。
楽しさと不安感が入り混じった、初めて感じる類の感覚だった気がする。
そんな風にエサヌカ線を堪能していたら、遠くに人が立っているのが見えた。
交通整理のおじさん風な格好っぽい。
なんだろう?と思いつつ歩き続け、30分ほどでその人のところまでたどり着いた。
聞くと、なんと、トヨタ車のCM撮影をしているから、この先は通らないでくれという。
だったらなんでエサヌカ線の入口に看板とかを立ててないのだと聞いたら、
「封鎖しているのではないからだ。法的には封鎖してはいない。通れる。
だけど、通らないように迂回をお願いをしている。」という。
要は、警察の許可を取らずに、通る車全てに「お願い」をすることで事実上の封鎖をしているということのようだ。
「俺はこの道を歩く為にはるばる埼玉から飛行機に乗ってきたのだ。通りたい。」と言うと、
「お願いします、迂回して下さい。」の一点張り。
そうしている間にも、ぽつぽつと車が来ては迂回させられていた。
そんな押し問答を30分ほど続けたが一向に答えが変わらないので、
「封鎖じゃないんですよね?なら、お願いは聞けません。通ります。」と言い、強行突破しようとした。
すると、おじさんは僕に体当たりをして阻止しつつ、上司らしき人に無線で連絡を取った。
揉み合っていると、上司らしき人が来てこう言った。
「通してあげるから、そのかわりにウチの車に乗って行ってくれ。なお、車に乗っている間は写真は一切取らないこと。」とのこと。
何の権利があってそんな上から目線なこと言うんだと思ったが、
僕は30分の押し問答で疲れていたし、揉め事を起こしたら、きっと交通整理のおじさんも上司に怒られるのだろうな・・・と思い、わかりました、と答えた。
車に乗って、CMの撮影現場を通り過ぎた。
CMを取っていた車は、クラウンらしかった。
この時撮っていたCMは、どうもこれ↓らしい。
悔しくて堪らなかったが、
僕も家に帰ってリーマン生活に戻って、上司から命令されりゃあ、同じような事をしただろうな・・・とぼんやりと思った。
そう思うと自分が情けなくて、ため息をついた。
車から降りたところで、無言で運転手に頭を下げて再出発。
乗って移動したのは2kmほどだったらしかった。
嫌な思い出作っちゃったなと思ったが、エサヌカ線は相変わらず美しい。
不気味な美しさ、とでも言うんだろうか。
周りには何もなく、自分一人しか居ないという孤独感を感じつつ美しい景色を見るってのは、独特だ。
曇りだったので、孤独感が一層つのった。
バイクだったら30分くらいで走り抜けちゃうだろうから、
この感じは、徒歩で、5,6時間もかけて踏破するからこそ感じられる感情だろうなと思う。
徒歩で来て良かった。
エサヌカ線を抜けると、浜猿払の漁港に着いた。
気温は8℃。
寒い寒いと思っていたが、8℃とは・・・。6月中旬なのに。
夏装備しか持ってきていない身にはきつい。
今日の宿は道の駅にするか、少し手前のライダーハウスにするか迷ったが、
少しでも先に行きたい気分だったので、道の駅さるふつ公園まで行くことにした。
道の駅さるふつ公園の少し手前には、猿払村村営牧場がある。
ここは、ドラマ「人間の証明」で使われた牧場なのだ。
僕も見たことがあるので、ちょっとウキウキした。
道の駅には13時半頃に到着。
昼飯(というか夕飯)は、ホタテ定食。とびきり美味しかった。
今回の旅ではいつものことだが、足は限界だし、
夜までに次の集落に辿りつけるかどうかわからないので、早い時間だがここで宿を取った。
食ったあとは、適当にウロウロして宿で寝た。