樹脂メーカーの岐阜プラスチック工業(岐阜市)は8日、世界最軽量の航空貨物コンテナを開発したと発表した。ハチの巣のように六角形を並べた軽くて強度のある「ハニカム構造体」の特殊樹脂「テクセル」を使用。従来のアルミ製のコンテナより40%近く軽くなり、航空機の燃料削減につながるという。
テクセルは同社が09年9月に生産を始めた。コンテナは松田技術研究所(東京都板橋区)の協力を得て開発。テクセルの板材の表面に薄いアルミ板を張り合わせて耐火性と耐久性を持たせ、アルミ製品に匹敵する強度を実現させた。従来のコンテナは標準サイズ(高さ約1.6メートル、幅約2メートル、奥行き約1.5メートル)で約95キロあったが、約60キロに軽量化した。
440人乗りの大型旅客機の場合、標準サイズのコンテナを32台搭載できるため1機当たり1120キロ軽くなり、燃料費が年間約880万円削減できると試算。年間650トンのCO2(二酸化炭素)削減効果も期待できるとしている。コンテナメーカーにテクセル素材を販売し、半年から1年後の商品化を目指す。杉田二郎事業部長は「テクセルを航空分野に生かしてもらい、環境負荷軽減に貢献したい」と話している。【立松勝】
毎日新聞 2010年9月9日 2時03分