大相撲秋場所:暴力団待った 国技館に警視庁が大量動員

2010年9月10日 15時0分 更新:9月10日 15時33分

え・よこたしぎ
え・よこたしぎ

 大相撲の土俵近くの維持員席で暴力団関係者が観戦していた問題で、警視庁は、12日に初日を迎える秋場所(東京・両国国技館)に過去最多の延べ約500人を動員する。日本相撲協会が新たに設ける維持員専用入場口でチェックを行うなどして、暴力団関係者の入場を阻止する方針だ。相撲協会は先月末、「暴力団等排除宣言」を行い、反社会的勢力との関係断絶を誓った。「官民連携」による水際対策の徹底で角界浄化をアピールする構えだ。【伊澤拓也、酒井祥宏、川崎桂吾】

 警視庁が動員するのは、暴力団排除を担当する組織犯罪対策3課と国技館最寄りの本所署の捜査員ら。組員の顔を見分けることができる「面割り」捜査員らも含まれ、千秋楽の26日まで、制服・私服合わせ昨年の秋場所の5倍に当たる態勢で目を光らせる。

 一方、協会は力士や職員が入場する国技館南門に維持員の専用入場口を新設。維持員に与えられる入場整理券の提示を求めたうえで、住所・氏名を記入させ、運転免許証など顔の分かる身分証明書で本人確認を徹底する。

 問題発覚の端緒となった昨年7月の名古屋場所をはじめ、国技館開催の場所でも、暴力団関係者はいずれも維持員の入場整理券を入手して観戦していたためで、捜査員が暴力団関係者と確認した場合は入場を断るという。

 さらに、本場所や巡業会場、相撲部屋への入場拒否が暴排宣言に盛り込まれたことを受け、一般客が入場する正門にも初めて捜査員約10人を配置。一般客としての暴力団組員も排除する。入場を強行しようとした場合は「建造物侵入罪の適用も検討し、毅然(きぜん)として対応する」(捜査幹部)という。

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