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【プロ野球】内海背信KOでG自力V消滅 怒りの原監督「論外」2010年9月10日 紙面から
◆横浜10−7巨人ベンチに腰を下ろして帽子を取る。タオルで顔をふき、努めて表情を殺したままペットボトルの水を飲み干す。巨人先発・内海のノックアウトされた時の動きはいつも変わらない。3イニング2/3でKO。今季ワーストタイの6失点でマウンドを降りた。4イニング未満での降板は、今季だけで5度目。勝てば横浜戦の勝ち越しが決まる一戦で敗れ、自力優勝の可能性が再び消滅した。 チームの苦境が指揮官のいら立ちにそのまま表れた。原監督は内海について「論ずるに値しない」と質問を封印。重ねて内海の処遇について聞かれると「だから言ったでしょ」と珍しく怒気を含んだ声色ですごみ、「そんなこと思っていても言えやしない」。あふれ出そうになる左腕への怒りを必死に抑え込んだ。 それほど内海の4回の投球はお粗末だった。先頭の村田に2ストライクからの3球目を右前に運ばれると、スレッジの左前打を挟んでカスティーヨにも2ストライクから中前打。圧倒的にバッテリー有利のカウントで痛打されるのは、先発ローテの投手ではタブーに近い。それを続けざまに犯せば、歯車が狂うのも無理はない。この回だけで被安打6、5失点。内海は「本当に申し訳ない。チームが大事な時期に、こういう結果しか残せない現状…。情けない」と小声で絞り出した。 逆転優勝を果たすためにも最下位相手にキッチリ勝ちたいところだったが、内海の背信投球で敗戦。勝負の9月は1勝4敗1分け。試合数は少ないが、月間最下位だ。原監督は「いま頑張らないで、いつ頑張るのか」と力を込めたが、曲がりなりにも「エース」の看板を背負う男がこの低調ぶり。これでは、目指すべき最も高い頂は一向に見えてこない。 (永山陽平)
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