WM-61A改
最終更新日 2008年3月13日
ここではパナソニックのECMシリーズ(WM-61A)を用いて、Linkwitz氏の改造法を用いて高耐入力、高音質マイクの自作についてまとめます。
※あくまでも自作マイク、されど自作マイクという目でご覧下さい。
まず、カプセルについて説明します。
メーカー情報
インピーダンス 2.2kΩ以下
指向特性 無指向性(全指向性)
周波数特性 20-16,000Hz
最大動作電圧 10V(通常は最大で9Vの電源を通します)
標準動作電圧 2V(プラグインパワーでの電圧です。標準という定義は、あまり強くないので、念のため)
消費電力 最大0.5mA
減電圧感度 1.5Vにて-3dB以内
S/N比 62db以上
WM-61Aと検索をすると、ヤフオクで出品されていたりするのが目につきますが、ヤフオクで出品されている製品の殆どはカプセルにオーディオコードを接続して使えるようにしてある(俗に言うプラグイン方式)マイクとしてだされていたり、バイノーラルマイクの内蔵マイクとして使われていたり(こちらもプラグイン仕様がほとんど )するものが目立ちます。
今のところ改造仕様(電源仕様)なものは出品されていないようですが、WM-61Aを使う際に、プラグインパワー方式では低音割れがひどく音質は良いけど使えない ことが多いです。となると、しっかり使うには自分で改造を施し自作しかないわけですね・・・。
しかし、実際に改造してみると噂通り(思った以上)に低音に強くなり高域が延びて音質も良くなります。サンプルもご用意するので、是非聞いてみて下さい。
まず、作り方から。ちなみに、自分の場合はZOOM製H4での使用を考えて作りました。
1.当然ですが、材料を集めます。
・WM-61A×2 (Digi-keyから購入可能)
・ステレオミニプラグ,オーディオコード(マイク以外の設計が面倒だったので私はこれを改造して使用)
・9Vマイク電源(自分の場合はミントボックスを使用)
・ステレオミニプラグ→ステレオプラグ変換,Yケーブル
・必要に応じて、熱収縮チューブ,エポキシ
・勿論ですが収録機材(私の場合はH4)
2.カプセルを改造させます。
他のサイト様を見させていただくと、図左のパターンをカットして、シェルカットした部分に接続することでSIGとGNDが逆になり、ソースフォロアー動作になるというのですが、私が考えるにSIGのGNDはそのままで反対にしてはならない気がするのですが・・・。
というのも、反対にするとノイズが酷く音量も低下して低音も著しくスカスカになります。改造前の通常通りに接続するよりも音質が悪いんですよね。
これを反対にせず(図で言うと右側のハンダに赤or白いわばSIG、左側のハンダに黒いわばGNDを)接続すると、改造前と音質は似ているものの、それよりも高音域が綺麗に入る状態になり低音割れもかなり改善されます。
3.というわけで、上の説明通りSIGとGNDは逆にしないでハンダ付けします。
このやり方は間違っているのでしょうか...?
4.ここまで来たら、一度9V電源に接続し、音が出るか確認します。
チェックするポイント
・まず音が出るかどうか
・左右のマッチングは納得のいくものか
・おかしなノイズが発生しないか(収録機材を外部電源にすると、きっちりシールドしてもノイズは発生しますので念のため)
・カプセルを動かしたときに接続不良のノイズが発生しないか
5.音に問題なければ、熱収縮チューブをカプセルからコードまで(約2cm)くらい通して、コード側からエポキシを満遍なく注入します。
6.熱にやられずにしっかり作ればこういう音が録れるようになるはずです。
※自信!!!のマークがあるものは、収録環境が良かったり音質が良いと判断した音源です。
1.電車走行音1(←JR東海313系車内にて)
2.電車走行音2(←名鉄6000系車内にて)
3.気動車(←JR東海キハ11型車内にて)
4.田んぼ(←JR東海小泉駅周辺にて)
5.音楽室(←岐阜県○○○市立某中学校の音楽室にて。ふるさと)
6.体育館(←岐阜県立某高等学校の体育館にて。Yum!Yum!ORANGE/ヒマワリ)
7.スタジオ(←某スタジオにて。銀杏BOYZ/BABY BABY)
8.ホール(←岐阜県○○○市民文化会館大ホールにて)