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穴井が金1号!“男子が弱いとは言わせない”

男子100キロ級決勝戦、フロル・ヘンクを破り金メダルの獲得した穴井
男子100キロ級決勝戦、フロル・ヘンクを破り金メダルの獲得した穴井
Photo By スポニチ

 柔道の世界選手権第1日は9日、東京・国立代々木競技場で行われ、男子100キロ級は穴井隆将(26=天理大職)が決勝でヘンク・フロル(25=オランダ)を下し、今大会の日本勢金メダル第1号となった。日本男子の優勝は07年リオデジャネイロ大会無差別級の棟田康幸以来2大会ぶり。昨年のロッテルダム大会で銅メダルに終わり、史上初の男子金メダルゼロの責任を背負った新エースが雪辱を果たした。女子78キロ超級でも杉本美香(26=コマツ)が初優勝し、塚田真希(28=綜合警備保障)が3位。同78キロ級に初出場した緒方亜香里(19=筑波大)も銅メダルを獲得した。

 試合終了の合図とともに穴井の表情がみるみる崩れ、スタンドに向けて左手を何度も突き上げた。決勝は昨年銀メダルの強敵フロルに苦しみながらも攻める姿勢を貫き、2度の指導を引き出しての優勢勝ち。得意の内股や大外刈りで豪快に決めた優勝ではなくても「きょうは結果が欲しかった」。安どの気持ちが体を突き動かしていた。

 昨年は初出場ながら、全日本王者として優勝を義務づけられていた。しかし、結果は銅メダル。天理大時代から師と慕う篠原信一監督の就任1年目に味わった、史上初の金メダルゼロという屈辱を一身に背負った。帰国前夜、篠原監督に掛けられた「すべての責任はオレにある。おまえたちは次に結果を残すことだけを考えていればいい」という言葉が身にしみた。

 気持ちがすぐに切り替わったわけではなかった。世界ランク1位は世界中の選手の研究対象。4月の全日本選手権は連覇に失敗し、5、6月と海外遠征はすべて優勝を逃した。「(7月の)ベラルーシ合宿のとき、代表を降ろしてほしいと思った」ほど精神的に追い込まれた。だが、そのとき再び篠原監督が声を掛けた。「苦しいことをやってきたのは、自分のためやろ。誰のためでもなく自分のためにやれ」。日本のため、監督のため。知らないうちに重圧につぶされそうになっていたことに気付いた。

 第1子を妊娠中だった久美子夫人(34)を残し、練習拠点を東京に移した。先月12日に長男・煌太(こうた)くんが誕生しても、1度病院を訪ねただけで「すべては世界選手権が終わってから」と封印した。そして、この日。「弱い父は見せられないと思った」。全日本、世界選手権のタイトルを獲った穴井が残すのは五輪の金メダル。12年ロンドンで表彰台の真ん中に立ち、史上8人目の日本柔道3冠を達成したときこそ、人は「穴井時代」を知ることになる。

 ◆穴井 隆将(あない・たかまさ)1984年(昭59)8月5日生まれ、大分県大分市出身の26歳。5歳で柔道を始め、碩田中2年時に全国中学大会男子78キロ級で優勝。天理高から天理大に進み、現在は天理大職。過去の世界選手権は09年ロッテルダム大会100キロ級で3位。組み手は左、得意技は大外刈り。1メートル87。

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