日本最大の商業地、東京・銀座で、20~30代の顧客の争奪戦が始まる。11日に増床開業する三越銀座店は、新売り場導入などで従来より年齢層を引き下げた顧客を開拓する。年末に閉鎖する西武有楽町店の後継店舗として有力なルミネ(東京・渋谷)は20~30代女性の集客に定評がある。近隣の専門店も交えた競争に注目が集まりそうだ。
三越伊勢丹ホールディングスは8日、増床した三越銀座店を報道陣に公開。通常はショップごとに設ける壁を取り払い、顧客が様々なブランドを一度に買いやすくした。銀座周辺は無料で休める場所が少ないことにも対応し、9階には屋内外で計約3000平方メートルの休憩スペースを設置した。
売り場面積は約3万6000平方メートルと銀座・有楽町地区で最大。初年度売上高見込みは630億円で、隣接する松屋銀座本店を抜いて地域一番店を目指す。そのためには中高年層が中心の現在より、若い顧客層を引き付けられるかどうかがカギだ。
今回の改装では伊勢丹のノウハウを取り入れて、自主編集した衣料品売り場「ル・プレイス」を設置。20~30代の女性顧客を狙った品ぞろえを前面に打ち出した。また店内のコーヒー店では、顧客の携帯電話へ向けてファッション情報を流すなど、若年層を意識した仕掛けも盛り込んだ。
西武有楽町店跡への出店が有力視されるルミネの主要顧客層も20~30代の女性。同社の競争力の源泉は「ユナイテッドアローズ」など若者に人気の衣料品店を呼び集めることだけではない。事業規模の小さい新興ファッション企業を発掘して、販売員の育成にも関与。人気ブランドに育てるノウハウを持つ。
さらに年15~20%程度の専門店を入れ替えて常に店の新鮮さを保つ戦略も定評がある。旗艦店の新宿店(東京・新宿)は1万9千平方メートルと近隣の高島屋新宿店(東京・渋谷)の3分の1の規模ながら、高島屋の7割に当たる約470億円を売り上げる。出店が実現すれば、銀座地区でもOL層などの取り込みに動く。
松坂屋銀座店も10月の改装で、20代女性向けの専門店ゾーン「うふふガールズGINZA」を1、2階に設ける。大丸松坂屋百貨店では、大丸の近畿地区の店舗で導入しているが、松坂屋の店舗では初めてでカジュアル衣料や靴など10ブランドを入れる計画だ。
背景には「H&M」や「ユニクロ」など低価格の衣料品専門店の進出で「銀座を訪れる顧客が若返っている」(大手百貨店)ことがあるとみられる。こうした専門店も含めた集客合戦が激しくなるのは必至だ。
三越銀座店、ルミネ、三越伊勢丹ホールディングス、ユナイテッドアローズ、ユニクロ、西武有楽町店、大丸松坂屋百貨店、売り場導入、売り場面積、銀座、うふふガールズ、H&M、コーヒー店、松坂屋銀座店、出店有力、伊勢丹、高島屋新宿店、高島屋
日経平均(円) | 9,225.14 | +126.75 | 10日 12:31 |
---|---|---|---|
NYダウ(ドル) | 10,415.24 | +28.23 | 9日 16:30 |
英FTSE100 | 5,494.16 | +64.42 | 9日 16:35 |
ドル/円 | 84.20 - .25 | +0.56円安 | 10日 12:10 |
ユーロ/円 | 106.54 - .58 | +0.49円安 | 10日 12:11 |
長期金利(%) | 1.135 | +0.015 | 10日 11:05 |
NY原油(ドル) | 74.25 | -0.42 | 9日 終値 |
経済や企業の最新ニュースのほか、大リーグやサッカーなどのスポーツニュースも満載
詳細ページへ
日経ニュースメール(無料)など、電子版ではさまざまなメールサービスを用意しています。
(詳細はこちら)