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東京・銀座:集客競争過熱 有楽町西武、後継にルミネ 若者狙い三越は増床

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)は8日、増床して11日に改装オープンする三越銀座店を報道各社に公開した。「伊勢丹流」を取り入れ、若者層を中心に顧客拡大を狙う。近くのライバル百貨店は対抗策を打ち出し、8日には、年末閉店する西武有楽町店の後継にファッションビル「ルミネ」の入居が有力になるなど、日本を代表する商業地・銀座とその周辺地区での集客競争は、一段と激しさを増そうとしている。【井出晋平】

 三越銀座店の増床部分(地上12階建て)は、従来の本館(同8階建て)に地下と3~8階でつながる。合計売り場面積は従来の約1・5倍の約3万6000平方メートルで、銀座・有楽町地区の百貨店では最大規模となる。

 08年に経営統合した三越伊勢丹HDにとっては「統合の真価が問われる」(石塚邦雄社長)初の本格プロジェクト。20~30代の女性をターゲットに、伊勢丹が得意とする、スタッフ自らが商品を仕入れて販売する「自主編集」売り場を各フロアに配置。ブランドの仕切りをなくすなど他の伊勢丹の手法も導入した。

 三越銀座店の改装に周辺各店の危機感は強く、松屋は、銀座店の若い女性向けの衣料フロアを刷新したほか、8月25日には店近くの高速高架下ショッピングモール「銀座インズ2」に20~30代の女性向けブランドを集めた売り場をオープンさせた。松坂屋銀座店はファストファッション専門店「フォーエバー21」に続き、20~30代女性向けの売り場「うふふガールズ」を10月に導入する。

 銀座から約1・5キロ離れた日本橋の高島屋東京店も「顧客のファミリー層が銀座に流れる」と警戒し、北欧のブランド子供服を導入する。

 一方、12月25日に閉店する西武有楽町店の後継に有力となり、11年秋にも開業する見通しとなったのがJR東日本子会社の「ルミネ」。ルミネは首都圏のターミナル駅を中心に13店舗を展開し、若者向けファッションで定評がある。西武有楽町店の後継で駅外に本格進出する。

 全国の百貨店売上高は7月まで29カ月連続の前年割れ。三越銀座店の改装は「百貨店が再び注目を浴びるきっかけになるのでは」(大手百貨店幹部)と業界全体の盛り上がりを期待する声も聞かれる。だが、銀座周辺には「ユニクロ」「H&M」などファストファッションも次々と進出している。ルミネの進出がこれに続けば、これら新興勢力と百貨店の間で販売競争が一段と激化しそうだ。

毎日新聞 2010年9月9日 東京朝刊

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