韓国・朝鮮の出身で戦前から激動の日本を生きた在日1世の写真展「在日一世と家族の肖像・写真展」の立川展が11~12日、同市錦町3の立川市市民会館(アミュー立川)で開かれる。偽名を使うなど、ひっそりと暮らさざるを得なかった在日1世の人生にスポットライトが当てられる。
写真展は在日韓国・朝鮮人への偏見をなくす活動を続ける「チマ・チョゴリ友の会」が主催。60枚を超えるパネル、約330枚の写真で約50人の1世の人生を紹介する。同会が公募などで1世に取材し、写真を集めて生い立ちを聞き取った。多くの1世が働いた砂利採掘場についても紹介する。
11日は1世で多摩市の李甲蓮(リカムリョン)さん(81)、12日は調布市の羅順任(ラスニン)さん(72)が講演する。李さんは3歳の時に来日。差別が激しかったこともあり、今までずっと偽名で過ごしてきた。「なぜ肩を並べて生活できなかったのか。今になって心細く感じる」と言う。
講演会は両日とも午後3~4時。羅さんは「小さいころは、朝鮮人ということで何も買えず、本当に貧乏だった。物の大切さを伝えたい」と話している。写真展は11日は午後1~8時、12日午前10時~午後5時。入場無料。問い合わせは同会の松野哲二代表(090・3085・7557)。【池田知広】
毎日新聞 2010年9月10日 地方版