佐伯、現役続行へ海外も視野…来季横浜の構想外

７月１５日の広島戦の８回に代打で出場し安打を放った佐伯。来季の構想から外れた模様だ

　横浜の佐伯貴弘内野手（４０）が来季の構想から外れたことが９日、分かった。この日、球団幹部が横浜市内のホテルで佐伯本人に通達した模様だ。生え抜きとしては５６年ぶりの４０歳プレーヤーとなった今季は、極度の打撃不振で好成績を残せなかった。佐伯は１８年間プレーした横浜に別れを告げ、日本だけでなく海外も視野に現役続行を目指す。

　ベイスターズの一時代を築いてきた好打者が、横浜のユニホームを脱ぐ。球団関係者の話を総合すると、８日に横浜市内の球団事務所で編成会議を行った球団幹部は、９日に佐伯と緊急会談したという。「ベテランは決断の時が迫っている」と話していた同幹部は、チーム最年長で、野手で唯一９８年の日本一を知るベテランに、来季の構想から外れたことを通達したとみられる。

　今季左の代打として期待された佐伯は、新人時代の９３年以来１７年ぶりの開幕２軍スタート。６月１５日に出場選手登録されてからは代打で９打数１安打の打率１割１分１厘、０打点。後半戦開幕前の７月２６日に２軍落ちしていた。

　それでも、佐伯は４１歳となる来季も、現役続行に意欲を見せている。以前から「まだ選手としての気力は残っているし、まだまだ出来ることがあると思う」と現役に強いこだわりを見せていた。今後は横浜の指導者として残らず、日本だけでなく、韓国、台湾、米マイナーなど、場所を問わず現役を貫く決意を固めている様子。不退転の覚悟で再出発を図ることになりそうだ。

　◆佐伯　貴弘（さえき・たかひろ）１９７０年４月１８日、大阪府生まれ。４０歳。尽誠学園高、大商大を経て、９２年ドラフト２位で横浜入り。１９９８年にマシンガン打線の一員として活躍。リーグ優勝、日本一に貢献した。０５年には４番として全試合出場し、１９本塁打、８８打点。通算１８３１試合に出場し、打率２割７分８厘、１５５本塁打、７８９打点。１８６センチ、９０キロ。左投左打。