医師の事務作業を代行する「医師事務作業補助者(医療クラーク)」について取材しました。まだ歴史が浅い医療クラークの仕事内容を知りたいと考え取材を始めたのですが、改めて痛感したのは医療現場の人手不足でした。
既に医療クラークを導入する県立中央病院の眼科外来では、廊下の待合椅子に人があふれていました。医師の「医療クラーク導入で効率が上がり、患者のためにもなっている」という言葉が印象に残りました。
一方、産科医不足で分娩(ぶんべん)を休止していた県立海部病院は、10月から3年ぶりに一部を再開します。地元住民は「若者が出産できない状況は過疎化にも拍車をかけていた」と言い、ひとまずは安心した様子でした。
医療は、広く県民生活にかかわる重要な問題です。患者のために何ができるのか、さまざまな視点から継続的に態勢構築を考える必要があります。【井上卓也】
毎日新聞 2010年9月9日 地方版