ストイコビッチ監督のねぎらいに笑顔の楢崎(右)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで(伊東朋子撮影)
|
 |
名古屋グランパスの日本代表GK楢崎正剛(34)が8日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで行われたチーム練習に復帰した。7日の日本代表のグアテマラ戦後に、事実上の代表引退を表明した楢崎が一夜明けた気持ちを語り、早くも12日に再開するリーグの山形戦(NDスタ)に備えた。
楢崎は、吹っ切れた表情で、グランパスに帰ってきた。グアテマラ戦にフル出場したばかりだが、当たり前のように練習に姿を現し、リカバリーメニューをこなした。ストイコビッチ監督からは、これまでと同様、握手をして、日本語で「オツカレサマデシタ」と、ねぎらわれた。
ただ、「当分の間、(代表の)リストから外してください」と協会側に伝え、7日のグアテマラ戦後に、その意思表明をした今回の「お疲れさま」にはいつもと違った意味がある。今回の合宿と、20歳から代表でプレーしてきたことの、「両方の意味があった」と、いろんな意味の詰まった握手を受け止めた。
正GKとして臨んだW杯南アフリカ大会は、直前の強化試合からレギュラーを外れ、すべての試合をベンチで見守った。それでも、縁の下の力持ちとして貢献した選手に名前が挙がるほど、日本の16強に大きく貢献した。じくじたる思いもあったはずだが、帰国後は一貫して「何も思い残すことはない」と充足感を口にしていた。
事実上の代表引退表明だった。しかし、楢崎自身は、「引退という意味で言った訳じゃない。ただ、外してくれと言うと、戻りにくくなるし、2度と選ばれなくなる可能性は増える。それでも仕方ないと決めた」。
熟考の末、代表への未練は断ち切った。しかし、サッカーに対する情熱は全く失われていない。ピクシー監督の信頼も感じている。W杯という大きな目標は、ひとまずなくなった。「現時点ではJリーグ優勝しかない」。まだ達成していないJ1制覇に、目標を切り替えた。 (伊東朋子)
◆楢崎・一問一答
楢崎(以下同)「日本語で、いつもの『オツカレサマデシタ』と。(今回の代表と、代表全体の活動に対して)両方の意味があると思う」
−監督は、楢崎の決断は、いいニュースでもあると言った
−代表の原監督代行は、協会側から扉を閉ざすことはしないと言っているが、結論は出たのか
「結論というのはない。当分、おれを代表選手を選ぶリストに載せないでくださいと言った。おれがどう思っているのかを伝えただけで、それを(ザッケローニ)新監督に、今後伝えますということだった」
「引退って何という話になるから、引退という意味ではない。(GKがいなくなるなど)何かあったら話してくださいとは言ってある。外してくれなんて言うと、代表に戻りにくくなるし、ずっと選ばれている選手が選ばれてしかるべきだと思うから、2度と選ばれなくなる可能性は増える。それはそれで仕方ないという決断」
「(グランパスGKコーチの伊藤)裕二さんと久米GMくらい。選手には言っていない」
「闘莉王とは一緒にやりたかった。ボンバー(中沢)とか」
この記事を印刷する