県本人確認情報保護審議会(会長・不破泰信大教授、六人)は二十八日の中間まとめで、県内二十七自治体で住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)につないでいる住基システムが「インターネットと物理的に接続している」と報告した。インターネットを通じ、全国の住民情報が流出する恐れがある―と指摘している。
報告書によると、審議会は二月中旬から県内十一市町村で行った現地調査で、住基ネットにつながっているシステムと、インターネットにつながる情報系ネットが庁内LAN(構内情報通信網)で「同居」しているケースを確認。調査を全百二十市町村に広げた。この結果、二十七自治体で同様の「物理的な接続」を確認したとしている。
委員の桜井よしこ氏は「全国すべての情報がインターネットからとられかねないことを意味する」と指摘。審議会はセキュリティーの観点から、自治体名や具体的な接続状態は公表していない。
これに対し、総務省の井上源三市町村課長は「インターネットに接続できるだけですぐに住基ネットが危ないということはない。不正アクセス防止のための障壁などで侵入は防げる」としている。
◇
二十八日の信濃毎日新聞社の取材に、小県郡和田村、下高井郡山ノ内町、木曽郡楢川村が「物理的な接続」を認めた。三町村とも「今のところ問題点はない」(和田村)「セキュリティーなどは県の指導に従って整えている」(山ノ内町)「委託業者はセキュリティーが国の基準を満たしていると説明している」(楢川村)としている。