(cache) オーケストラがやってきた　京都の芸大生が演奏旅行

オーケストラがやってきた　京都の芸大生が演奏旅行

　印南町の切目川小学校で20日、京都市立芸術大学（京都市西京区）の音楽学部学生有志によるオーケストラの演奏会があった。子どもたちは初めて触れる生オーケストラの迫力に目を輝かせ、約１時間の体育館コンサートを楽しんだ。

　同学部は約30年前から関西を中心に各地で、地域との交流の意味を込めて移動演奏会を開いている。和歌山県での演奏は最近では10年以上前になるという。

　今回は３泊４日の日程で、和歌山市、有田川町、日高川町などの計９カ所18校の小中学校で演奏。切目川小学校では、同校のほか真妻小学校（印南町）の児童と切目川保育園の園児、地域の人も集まった。

　67人のオーケストラ、９人の声楽のメンバーが出演。初めに「軽騎兵序曲」を演奏し、学生らはオーケストラを構成する楽器を紹介した。

　バイオリンなどの弦楽器やホルンなどの管楽器、ドラムなどの打楽器それぞれのパートが、テレビ番組などでなじみのあるメロディーを披露。曲に合わせて、学生がテレビゲームのキャラクターの物まねをしたり、おどけた演技を加えて演奏すると、子どもたちに大受け。

　「もののけ姫」「天空の城ラピュタ」などアニメ映画のテーマ曲のメドレー、カルメン組曲など、それまでと打って変わって真剣な表情で感情を込めて演奏すると、じっと聞き入った子どもたちは大きな拍手を送った。

　オーケストラの生演奏で切目川小学校の校歌も歌い、子どもたちの元気な歌声とオーケストラの音色が響き合った。アンコールは全員で「世界で一つだけの花」を合唱、会場が一つとなって演奏会を締めくくった。

　学生一行が予定より早く到着したため、昼休憩中で校庭にいた児童らと一緒に遊ぶ時間もあるなど、児童は学生一人一人との交流も楽しんだ。

　オーケストラを前に指揮者に挑戦した切目川小６年の太田裕也君（12）は「指揮は緊張したけど面白かった。オーケストラは初めてで、すごい迫力で上手だった。興味を持った」と笑顔。演奏会の実行委員長の朴梨恵さん（20）は「子どもたちがこんなに元気のいい学校は初めて」と話した。

【楽器67人、声楽９人の総勢76人で演奏したオーケストラ（印南町の切目川小学校で）】

(2007年09月25日更新)