慢性的な経営難にある呉市交通局のバス事業について、呉市は8日、市議会協議会(全員協議会)で、2012年4月から一括で民間移譲する方針を正式に表明した。小村和年市長は「人件費削減などの努力をしたが公営での存続は困難。市民の交通手段を持続的に確保するため、厳しい選択をした」などと説明し、理解を求めた。
市は協議会で、6月に公表した改革シミュレーション4案のうち一括民間移譲を選んだ理由を、サービスや接客の向上が見込める▽市の財政負担の削減効果が大きい▽組織、事業展開の自由度が高い―などとした。
他の、改善型公営、民間委託拡大、第三セクターへの段階的移譲の3案については、財政負担の大幅削減が期待できないことや、起債の難しさなどから現実的でないとした。
移譲先の事業者は、公募型プロポーザル方式で決める計画。10月上旬に公募を始め、学識経験者などでつくる選定委員会で11月下旬に事業者を決定するとしている。12月以降、事業者とさまざまな条件について協議し、来年度末までに交通事業会計の廃止などについて議会議決を受けたいとしている。
|