2007年12月

2007年12月04日

ロマンティックが終わるとき びいな 第8夜

9e7eec97.jpg「ナッチャンRera」のすれ違いが終わり船内に戻ると、またしばらく経ってから揺れだします。津軽海峡に抜けると東側に陸の壁がなくなり、波と風がもろに受けてしまいます。この揺れは函館山付近まで続きました。

「びいな」・・・もう現在は運行されていません。今は室蘭にいるのでしょうか?

「ナッチャンRera」の導入により、在来のフェリーが4隻から2隻に減り、どれかしら去らねばなりません。最初は「ほるす」と「ばにあ」がそのまま消えてしまうのではないかと思いましたが、輸送量のせいか、それとも元々「ばにあ」にもうちょっと頑張らせる予定だったのか、11月1日より「ばにあ」と「びいな」が入れ替わり、「びいな」が去ることになりました。
いや、「ばにあ」のように、また「びいな」が復帰するかもしれません。今、どこにいるかわかりませんが・・・ドック期間中に代わりに運航するかと思いましたが、そうでもないみたいですね・・・。
10月31日が本当の最終便なのかしら・・・。

私が乗船したときの「びいな」はまだまだやれるような状態でした。確かに古い船ですが、やばそうだとは思わなかったし、同型船はつい最近まで九四フェリーで「九州」として頑張っていき、どこかでまた活動をするようです。「びいな」もきっと新天地で頑張ってくれるでしょう。

それにしても・・・「びいな」の最終便には乗りたかった・・・「ばにあ」で蛍の光は流れなかった、もし「びいな」で蛍の光が流れなかったら、「可愛いミーナ」を流してやりたい。

ロマンティックが終わるとき・・・

これで青函航路のお話を終了します。「ナッチャンRera」の話(9月)や在来のフェリーの話を書いてみました。
私としては、高速船は別に悪くはないのですが、本来の青函航路として旅情を楽しむのであれば、東日本フェリーの在来のフェリーの2等をおすすめしたいです。(他社もいい船だと思いますが、ちょっとマニア向けなので・・・)
しかしながら、次の高速船が導入されると同時に、現在、運航している「びるご」「ばにあ」も消えてしまいます。非常に残念であり、今後、本来の青函航路を楽しむことができないかと思うと非常に心が痛々しいです。
2等の広々とした区切りのない座敷で、近くの人と会話したり、子供と遊んだり、大の字になって寝る・・・外部デッキで本を読んだり、海鳥と遊んだり、観察したり、そして夕日を眺め・・・もうできないのです。

「ナッチャンRera」の記事を書いた際、始めの方に「在来のフェリー」も乗って欲しい、と書きました。
それは、本当の青函航路の楽しさも知ってもらいたいからです。

あとほんのわずかしかありません。機会があれば是非とも乗ってください。

で、もしすでになかったら、他社のフェリーにも挑戦してみるのもいいかもしれませんね。(私は乗ってみたいです)

写真は、「びいな」とのお別れ、車両デッキから下船。

2007年12月03日

2等しかありません びいな 第7夜

8715b1f8.jpgもうすでに運航してないので紹介しても意味がありませんが、軽く紹介をします。

「びいな」は2000トン級の小さな船で、東日本フェリーの青函航路の船の中では一番、小さい船です。(函館〜大間の「ばあゆ」よりは大きい)

等級は2等しかなく、個室は当然ありません。絨毯敷きの部屋が2箇所あり、すべて下の階で、1箇所は船首寄りにあり、1箇所はエントランスと船首側の部屋の間にあります。船首は揺れるので、中央付近の部屋の方が揺れが少なくて良いでしょう。船首側でも下の階だから、船首の眺めはそれほどでもなかったような?
上の階には椅子席もあり、真ん中には円の形をした椅子、右舷側にはバスの椅子のようなリクライニングシートが8席、先頭の席はそこそこ眺めが良いかも? 左舷側にはソファーとテーブルがあります。展望室みたいな感じですね。
喫煙所は上の階しかありません。

エントランスは、といっても小さな案内所があるぐらいで売店もここで行われています。が、終了間際の「ほるす」や「ばにあ」(当時)より品数が少なかったです。スペースがほんのわずかしかありませんので、その点は割り切った方がいいですね。
シャワーは男性用しかないので確認せず、ベビーベッドは船首側の部屋にあります。「ばにあ」のように完全に隔離されてはいません。

上の階の外部デッキは眺めが良さそうに見えますが、天気が悪いせいなのでしょうか、それともいつもなのか、ドアに鍵がかかって外に出ることができませんでした。

「びいな」には船ヲタにとって嬉しいものがいくつか存在します。
それは東日本フェリーのポスターです。今じゃどこでも見かけそうもない古いポスターがあちこちにあります。
そう今は商船三井として太陽マークになってしまった「へすいていあ」や「ばるな」、「ニューれいんぼうらぶ」のポスターがあったのです! しかも船名を隠さず、しっかりと残されています。残念なことに「へすていあ」のポスターがボロボロでしたが・・・。(写真)

「びいな」の船員は、きっと、あのイルカマークの船を残したかったのかな? 私もだよ・・・。

2007年12月02日

新造船と近くですれ違う びいな 第6夜

8acbccb6.jpg陸奥湾入り口に入ると、揺れが穏やかになります。ちょっと外が気になったので外に出ることにしました。
「びいな」の外部デッキは低い位置にあるため、波が高かったり、風が強かったりすると、危険なのはもちろん、波しぶきがあたって体がベタベタになったり、カメラに潮がかぶったりとあまりよくありません。外に出る場合は揺れが落ち着いたときがいいです。

出てみると・・・丁度、前方から白い船が!! これはもしや「ナッチャンRera」か?

慌てて船内に戻り、そこそこ大きな声で「来たぞ!!」と言ってW・Oを起こします。すると船内にいる人の半分ぐらいだったかな?私の声で外へ出る人がかなりいました。笑 ほとんどの人が「ナッチャンRera」だと思って移動したのでしょう。カメラを持って慌てて外へ出る人もいます。
カメラのレンズを100mm〜300mmに変え、これで準備OK! 昨日の「ばにあ」からではこのレンズでも小さくしか写らなかったので、今回はどうせ見てもうまく写らないだろうと期待をせず、すれ違いもどうでもいいと思っていましたが、たまたま目撃してしまったし、一応、またチャレンジすることにしました。

それが・・・今回は割と大きいぞ!! まだ小さいけれど、正面から見た姿はいかにも双胴船です!! これは間違いない!! 今度は期待が膨らみます。
おーーー、どんどん近づくぞ! 昨日のすれ違いより速く感じますよ! だって、割と近いじゃないですか!
おおおーーー、近い!近い! 肉眼でもわかります。ナッチャンのイラストだってはっきりわかります。丁度、すれ違うころには300mmで納まりきれないぐらい、かなり近くを走っていました。(写真)
「びいな」に乗船しているお客様も大満足、あの大きさなら、望遠機能がそうでもないカメラでも撮影はできたでしょう。動画も撮っておけば良かったかな?

きっとこの「びいな」には、「ナッチャンRera」のすれ違いも期待して乗船しているお客様もいるでしょうね? この船に乗った人は運が良かったです。

2007年12月01日

おばさんと会話 びいな 第5夜

66591407.jpgお菓子を投げ渡したおばさんに近づいてみることにしました。だって、W.Oは気持ち良さそうに寝ていて、こちらはDSでゲームをするしかなかったですから・・・。(船でDSをするのは邪道?笑)

おばさんは東北弁でとにかくよくしゃべる人で、まあ、よくしゃべってくれる方が初対面としてとても話やすく、楽しく感じます。私もよくしゃべる方ですが、私よりもよくしゃべる人で。笑
おばさんは青森駅から歩いていける距離に住んでいるようで、青函航路とは親しみがありそうですが、意外にも船で北海道へ向かうのは2回目だそうです。普通の人だとこんな感じなのでしょうか?

今回の乗船の目的は函館1泊旅行とのことで、自宅から車で青森のフェリーターミナルへ向かい、車をターミナルに置いて、あとは徒歩で乗船します。高速船を導入したせいでしょうか?ターミナルの駐車場も立派になったようで、地元の人にも効果的ですね。
函館の目的は、北島三郎記念館、なるほど、そんなものもありますね、行ったことがないのですが・・・、あと、どこかで飲む、函館では必須条件? なわけで、私はあんまり函館に詳しくないのですが、飲み屋が多い大門横丁のパンフレットを持っていたのであげました。

帰りはどうするのか?と聞いたところ、予約はしてないし、まだ決めていませんでした。帰りは遅くてもいいそうで、車なので電車の時間もまったく関係ありません。遅いほど函館でゆっくりできるので歓迎だそうです。「帰りに高速船はどうですか?」と聞いたところ、ちょっとは興味があって乗ってみたいとか、でも、普通のフェリーも時刻を知りたいとのことで、東日本フェリーはもちろん、青函フェリーや道南自動車フェリーまで時刻、しかも配船まで教えました。だって女性でしょ?女性なら男女共用トイレは嫌だし、できれば女性用シャワーはあった方がいいでしょう。東日本フェリー以外ならこの時間とこの時間がいいよ、としっかり教えました。
果たしてどの船を使ったのかわかりませんが・・・もし高速船を使ってたら、乗った感想はどうだったのでしょうか?

だって、このおばさん、2等の広々とした空間が好きみたいです。旦那さんは昨日、遅くまで仕事をし、船内で横になって寝ていました。私のW・Oも寝てるし・・・普通のフェリーならではの過ごし方ですね。
寝るだけではない、私はこのように人と会話をするのが好きですよ。より旅が楽しくなるのではないでしょうか? 椅子よりも座敷の方が話がはずむような気がします。

写真は話がはずむような2等部屋