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うちの店載せないで 佐賀市の飲食店「食べログ」提訴 | ||
佐賀市内の飲食店が、利用客の投稿でつくるインターネットのグルメサイト「食べログ」に掲載されている店の情報を削除するよう求める訴訟を佐賀地裁に起こした。飲食店側は「情報が更新されず、現状とは違う内容が無断掲載され、営業妨害になっている」などと主張。食べログを運営するカカクコム(東京)は「投稿者の感想を載せる場を提供しているだけで、内容にも違法性はない」として削除には応じない構えだ。
訴状などによると、食べログには今年3月、店の外装やメニューの写真などが利用客によって投稿、掲載された。店には連絡はなかった。それ以降に店の外装やメニューは変わったがサイトの内容は更新されず、客に誤解を与えるとして削除を再三依頼したが拒否された。
経営者は、店のホームページを開設し、情報を発信しているが、同店をネットで検索すると、食べログの方が上位に表示され、「正しい情報が伝わりにくく、客も従業員も戸惑う。実情と違う内容がそのまま残される。個人のブログならまだしも、食べログはビジネスでやっているだけに影響がある」と話した。
これに対しカカクコムは答弁書で、掲載内容は投稿時の客観的事実と合致し、最新の情報と異なる可能性があるので確認するよう注意書きも明記していると反論。「利用者は最新の情報ではないことを理解しており、内容も違法性はない」として削除に応じる必要はないとしている。
カカクコム広報は「本件のような裁判は過去にない。具体的な内容については係争中なのでコメントを差し控えたい」としている。
食べログは、会員登録した利用客が飲食店の感想を写真付きで投稿する「口コミ」でつくるグルメサイト。料理、サービス、雰囲気などを5点満点で評価し、人気店をランク付けする機能がついている。月間約1600万人が利用する国内最大級のグルメサイトで、全国約60万店が掲載されている。
インターネット問題に詳しい森井昌克神戸大大学院教授(情報通信工学)の話 食べログへのクレームは増えているが、訴訟になったケースは珍しい。膨大な投稿に対応するのは大変だが、あまりにも古くなった情報は営業に差し障る。削除などの対策を考えるべきだろう。 |
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2010年09月09日更新 |