これはやりすぎでは? http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100904-00000035-mai-soci <お試し留学>「内向き学生」後押し 初年度7000人派遣 留学に消極的といわれる若者の「内向き志向」を打破しようと、文部科学省は従来の短期留学制度(3カ月〜1年間)より短い間、大学生を海外派遣する「ショートビジット(短期滞在)」制度を来年度から始める。「お試し留学」で外国の魅力を感じてもらい、本格的な留学への呼び水にする狙い。初年度7000人の派遣を目指し、来年度予算の概算要求に17億円を盛り込む。【山田大輔】 文科省によると、大学生の海外留学は99年ごろまで増加傾向だったが、その後は年間8万人前後で頭打ち。最も人気のある米国でも08年に04年の3割減だった。 最新の科学技術白書は、海外経験のある研究者ほど国際的な共同研究や論文の共同執筆など、研究の生産性が高く、内向き志向は日本の競争力を損なう恐れがあると指摘。政府は新成長戦略で「20年に日本人学生の海外交流30万人」を掲げた。 現行の1年以上の留学制度には、定員の3倍程度しか応募が無く、まずは2週間から3カ月間の滞在を募集する。他国の大学と交流プログラムを持ち、短期滞在にも単位認定する大学の学部生を対象に、1カ月当たり8万円の滞在費と片道の航空運賃8万円を上限に支給する。 ほかにも、日中韓などの大学間で授業の単位互換や共同学位授与を進める「キャンパス・アジア構想」(来年度概算要求約20億円)などで交流を図る。 内向き志向の背景には、インターネットで海外の情報を入手できる上、留年すれば就職に不利になるとの思いから、「わざわざ行かなくても」と考える人が増えているためという。文科省の担当者は「やり過ぎと思われるかもしれないが、費用を支援し、単位を認めて授業の一環にしなければ、就職難に悩む学生たちは動かない」と話す。中川正春副文科相は「日本の若い人たちは今、極端に縮んでいる。元気を出してほしい」と訴える (以上毎日新聞社のニュースより) 海外経験のある研究者、っていう部分と2週間アゴアシつき海外旅行っていうのと、どういう風に結びつくのか、がいまいちよくわかりません。悪いですけれどワタクシの周りには海外に二週間程度短期研修を含む観光旅行に行ったことがある若者はわんさかいますが、それが日本の競争力、とりわけ海外経験という点でどのように役に立っているかどうか、よくわかりません。 言いたいのは、海外経験って、自分がどうしても行ってみたいという強烈な渇望感、いいかえると自分に欠けているピースが海外のなにかである、という強烈な目的意識、というものがなければ、仮に何年行って意味がありません。駐在員だって、そういう目的意識がなければ、漫然と海外に行き日本風のカラオケやら日本料理を楽しみ、日本からビデオを取り寄せて日本人とだけ付き合って終わってしまう人がいっぱいいるのです。ましてや、学生のときに、そういう目的意識などをチェックしないまま量だけこなせばいいという発想で、このようなプログラムを作ることで、成果があるとは思われません。 もちろん学生の場合一定の結果(学校での単位など)を求めるのであれば、そういう支援は意味があるでしょう。しかし、このプランのように高々2週間では単位どころか、友達作りすら簡単にできるとは思えません。 ただ、海外に興味がないという問題そのものは、指摘されている通りだと思います。それは、今の社会そのものが海外にわざわざ行かなくてもいろいろなことができるようになった、という変化を反映している部分もあると思います。まあ、「恵まれ過ぎている」ということでしょう。金銭的にという意味ではなく、昔に比べて海外とのコミュニケーションは格段に楽になっている。生活でも様々なストレスが格段に低い。安くておいしい食事が簡単に手に入り、清潔で便利だ。しかし一方で、あるいはそれがゆえに将来に対し希望が持てなくなっている。そちらの方が問題です。その中でいくら海外に短期で送り出しても、最後は「やっぱり日本がいいね」という感想とともに帰ってきてますます内向きになるのが落ちです。本当の理解というのは、先ほど書いた問題意識と結果を求められること、そしてある程度の期間が組み合わさらないと、出てこないものだと思います。ましてや、今回の場合もともと1年以上のプログラムに「応募がすくない」ことがきっかけとなっているようですが、逆にいえばたかだか1年程度の留学も申し込めないような根性無しの層を対象にさらにお金を配ってあまやかしたところで、ろくなことにはならないでしょう。自分が学生のころは、そういうプログラムに応募して行ける人々がとてもまぶしく見えました。自分は当時はほかの目標があったので留学は必要ないと思っていたから応募しませんでしたが、その後応募した人は留年しつつも社会で活躍しています。留年で就職が不利になるだと?海外できちんと勉強した留学によって留年した人間を不当に見下すようなそんな会社こちらから願い下げでしょう?それぐらいの気持ちをどうして持てないのでしょうね。 まあ、社会の縮図というか、いまの政権党らしいというか、そういう安易な発想を見てしまった感じです。同じ金を出すなら、本当の研究者や研究者の卵に対して出してあげたらどうですか?学生は自分がどうしても行きたければ、バイトしてでも行きます。身銭を切っていく方が、問題意識があるはず。たとえ観光旅行であっても、身銭を切っていくほうが意味がある。国が金を出して単なる海外滞在に単位を出すような安易な大学(ワタクシの知っている短期滞在プログラムで単位が取れるところって、大体そうなんですけれど違ったらごめんなさい)のお手伝いをする必要はありません。時間と資金に余裕がない研究者の卵にきちんとしたやり方で集中投資する方が絶対に効率的です。今回の制度は目的と手段が全く結びついておらず、単に大学生の遊びにお金をくばるという、民主党の安易なばらまきの一環としか見られないのです。 |
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難しい問題ですね。TOEFL何点以上が応募条件、とかになるのだと思いますので、ある程度のスコアを持っている人は、それなりの目的意識がある人が多いと思いますから、その人達が海外経験を積むのは良いことなのかな、と思います。文系は学部4年の段階で、TOEIC900+第二外国語がそれなり、が普通なんだと思いますんで、それくらいの人であれば有意義な海外生活が過ごせるのではないかと。理系でも修士でTOEIC850くらいの人もそれなりに居ますし。理系の場合、そのスコアで研究以外の会話が出来るとはあまり思えませんけど。 |
学生さん 2010/09/05 22:25 |
学生さん、さんコメントありがとうございます。おっしゃるように学部4年で英語がおっしゃるレベルの成績ならば強い意識づけがあるのかもしれませんね。まあ、基準の作り方次第ですが、記事の内容を見る限り、ただひたすら数を増やすようなイメージがあったので、どうせ基準もかなり緩いのだろうと想像していました。それにしても海外経験なしに学部の段階でTOEIC900点は結構すごいとは思いますが、そのレベルの人って結構多いのでしょうか? |
厭債害債 2010/09/06 00:13 |
2週間程度であれば、おっしゃる通り自費旅行でいいと思います。公費まで出すのであれば、最低3カ月から6カ月程度で意志と力(現地語の事前習得等)を証明した人を選別するとか、やり様はあるかと。 |
名無之直人 2010/09/06 01:40 |
普通は言い過ぎかもわかんないですけど、学部の段階でTOEIC900点の人は結構います。中には留学してた人も居ますけど。ただ、英語系の学部の人が周りに多いからな気もします。個人的には、英語力も大事だけどヒューマンスキルや専門の力があってこその語学なのかなー、という気も多分にしますけど。 |
学生さん 2010/09/06 21:41 |
名無之直人さんどうもです。おっしゃる通りこれから海外留学組を不利に扱うことなどあり得ないと思うんですけれどね。 |
厭債害債 2010/09/07 06:15 |
日本から一年海外留学したら卒業が一年遅れるだけじゃないですか。新卒主義の日本で一年遅れたら今の不景気で就職活動一年近くやる人もいるのに不利になるだけでしょ。きちんと単位交換認めてあげて卒業遅れないようにするならともかく。 |
asd 2010/09/07 08:57 |
asdさんコメントありがとうございます。うーん、今はそんなに不利になるんでしょうか?本文でも書いたように、きちんとした留学ならそれを評価しない企業のほうがおかしいように思います。まあ買い手市場だからつらいというのはその通りでしょうけれど。 |
厭債害債 2010/09/09 01:46 |
なんか対象がよくわからないですね。研究者について言及しているのですが、それなら別に勝手に行けばと思うわけで。研究者の海外経験のどこがどう国際競争力(笑)につながるのかわかりません。 |
通行人 2010/09/09 10:03 |
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