といっているのは米国の銀行。USBANKERの記事によれば、アメリカでもやはりと言うか当然と言うか、この状況の下で貸し出しが伸びず真っ当な投資先も少なくなる中で預金余剰が生じ、銀行の収益を圧迫しているのだとか。 http://www.americanbanker.com/bulletins/-1023018-1.html 記事によれば、2年前にはワシントンミューチュアルが破綻したりする中で地方の銀行でもとにかく流動性対策として預金を集めるのがブームだったのが、今では預金はもういらないと公言してはばからない状況だそうです。 一応FEDに預けておけば最低限の利息は付くものの、銀行にとって見れはこれは安全ではあるが収益を生まないと言う点では「non-performing asset(不良資産)」であり、最後は結局のところ債券でも買うしかないということになります。その結果がこの図。2008年の危機のあとすごいペースで商業銀行のトレジャリーおよびエージェンシー債の残高がつみあがっているのがわかります。 記事が引用するJPモルガンチェースのダイモンCEOの話では、2009年の初期にはミドルマーケットの顧客勘定は預金と貸し出しがほぼバランスしていたのに対し、現在では貸し出しが一割減ったのに対し預金が3割増えたということです。要するにこの分の多くが債券など有価証券の買いになっている。いましかも仕組みモノがやりづらい中で多くがトレジャリーやエージェンシーの買いとなって出現したと言うことでしょう。 そういえば、最近新聞の見出しでは、米国で地方債(MUNI)が良く売れているとかジャンク債の発行が復活したとか、投資適格でも大規模な借り換えがバンバン行われているとか、スプレッドのタイト化が目立つとか、そういう内容をよく目にするようになりました。記事では今のような流動性過多の状況は年内いっぱいは続くだろうと言う地銀トップの声も紹介しています。景気の動向もさることながら、こうした流動性が市場を動かしていると言う現実を我々は冷静に見ていかないといけないと思っています。 |
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日米共に似たようなものですか・・・ |
40歳無職 2010/08/05 19:57 |
同じですね。日米ともに代表する企業群はすでに、雇用も、原材料も、部品供給先もいわゆるグローバル化の中で、すべて最安値でいけるところに移転してしっているので、これらの企業群の高収益の国内経済への好影響は極めて極小化されます。(アメリカはすでに「双子の赤字」時代から製造業はその状況だったので、金融的バブルでなんとか、国内消費もりあげようとしたが今回で大失敗。)という中なので、国内消費をけん引する労働者への配分は国外に流れてしまう、なので国民の所得は増えないので国内の景気はよくなるわけはない。 |
karu 2010/08/07 00:39 |
もうひとつ言い忘れました、こういう国家の多国籍企業は本国に課税されないありとあらゆり手段をとっているので、国家財政に決して寄与しない。でこいつらは国家のインフラ(国防だのあらゆるサービス)をタダ同然に使っています。なので、アメリカは財政赤字は絶対に回復しなかった。同様に最近の状況は国民国家という存在自体が、こういう状況下では経済的な回復の意味をなさないので、今一度制度見直しです。 |
かる 2010/08/08 21:54 |
40歳無職さん、どうもです。そうなんです。日本化です。 |
厭債害債 2010/08/14 00:43 |
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