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【社会】

都長寿センター、緑膿菌で4人死亡 帝京大から転院、感染か

2010年9月9日 朝刊

 東京都健康長寿医療センター(板橋区)は8日、昨年5月以降にセンターの患者20人から多剤耐性緑膿(りょくのう)菌を検出し、10人が死亡したと発表した。うち4人は感染と死亡との因果関係が否定できないという。

 また多剤耐性アシネトバクター菌が検出され、その後死亡したセンターの男性患者(76)は、5人の感染者が確認された帝京大病院の同じ病棟から転院したことが分かった。

 センターは「病院間での感染を否定するのは難しい」と説明。帝京大病院やセンターからは多くの患者が別の病院に転院しており、病院間で感染が広がっている恐れが出てきた。

 センターによると、緑膿菌感染者の20人は67〜104歳の男女。うち18人はほぼ同じ病棟の患者で、菌の遺伝子型から院内感染の疑いがある。

 一方、センターでアシネトバクターが検出された男性(82)が今年7月15日〜今月6日に、隔離されないまま計54人の患者と同室だったことが判明。うち22人は検査済みだが、32人が検査されないまま別の病院に転院するなどした。

 この男性の主治医は、アシネトバクターが検出されたことをセンターの感染制御部門に報告せず、センターが院内感染を把握したのは男性が転院した病院からの指摘を受けた今月6日になってからだった。

 記者会見した井藤英喜センター長は「検査室から情報伝達がうまく行われなかった。8月に院内感染に気付くべきだった」と釈明した。都は8日夕、医療法に基づきセンターを立ち入り検査した。

 

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