ＭＤＭＡはスニーカーに隠した…第３回公判

　昨年８月に合成麻薬ＭＤＭＡを飲んで容体が悪化した飲食店従業員・田中香織さん（当時３０歳）を死亡させたとして、保護責任者遺棄致死罪など４つの罪に問われた元俳優・押尾学被告（３２）の第３回公判が７日、東京地裁で開かれた。押尾被告にＭＤＭＡを渡した罪で服役中の泉田勇介受刑者（３２）ら２人が証言した。

　検察官（以下検）　３１日１３時２７分、あなたから「昨日行ってきたけどアミノ酸は１０（錠）からだから１０（錠）でもらってきたよ」と連絡した。被告人はＭＤＭＡをどこに？

　泉田受刑者（以下泉）　玄関の靴箱のスニーカーの中。

　検　８月２日、午前中に２３階の部屋に行っている。

　泉　１１時くらいに昼飯を食べないかと。同じ透明カプセルを頼まれた。３時に部屋を出た。

　検　２３階の部屋に戻ってきたのは？

　泉　午後９時くらい。押尾から電話で呼び出され「やばい、やばい」と。「大至急来てほしい」と。

　検　部屋にはだれが？

　泉　押尾とＥとＹ。すぐ「死んじゃった」と言われた。薬物をたくさん服用し、体調がおかしくなって死んでしまった、と。

　検　救急隊が到着した時、居合わせた？　

　泉　押尾が上（の階）に移ろう、と言った。非常階段を使い「筋トレする」ような、よくわからないような説明だった。焦った感じで２３階から離れたかったようだ。途中、プラスチックのボトルを渡された。「これなんだよね」と言って。ＭＤＭＡの残りを処分してほしいのだと思い受け取った。

　検　被告から相談を？

　泉　女の子に「来たら欲しい？とメールを入れている」と。「俺って変態だから、俺のチンコが欲しいっていう意味と言えばいいよね。それしかないもんね」と自分を納得させるように言った。

　検　被告は警察署に出頭すると言って別れたが別れ際に何を？

　泉　アコのことをよろしく頼む、と。

　検　なぜＭＤＭＡを譲り渡したのを認めた？

　泉　田中さんや遺族のことを思うのなら、潔く認めて責任を取ってもらいたいと思ったから。