「スイーツ親方」書類送検へ…元十両にけがさせた疑い

　大相撲の元十両・大勇武（２７）＝本名ダワードルジ・オンドラハ、モンゴル出身＝を殴ってけがをさせた疑いがあるとして、警視庁が、師匠だった芝田山親方（元横綱・大乃国）から任意で事情を聴いていたことが８日、捜査関係者への取材で分かった。「しつけの一環だった」と話しており、警視庁は傷害容疑で書類送検する方針。

　捜査関係者らによると、元大勇武は６月４日、杉並区内の芝田山部屋で親方から素手やスリッパで殴られ、顔や首に軽傷を負ったとしている。その後引退し、７月に警視庁に届けた。

　「暴力を受けるなどして引退を強要された」として、芝田山親方と日本相撲協会に計約７０００万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしている。

　芝田山親方は１９７８年春場所で初土俵。８３年に新入幕し、８７年に横綱となった。横綱在位２３場所で優勝２回。９１年に引退した。大の甘党で「スイーツ親方」としても知られる。同親方は８日午前、外出先から部屋に戻ったが、報道陣の呼び掛けには一切応じなかった。

　元大勇武は２００１年春場所で初土俵。０８年春場所で幕下優勝して新十両に昇進したが、１場所で陥落。ことし６月に引退した。