2010年9月8日14時43分
アフガニスタンの首都カブールで6日、コーランを燃やす行事を計画した米教会の牧師の人形や星条旗を燃やして抗議する人たち=AP
【ワシントン=望月洋嗣】米フロリダ州のキリスト教会が、米同時多発テロ事件から9周年に当たる11日にイスラム教の聖典コーランを燃やす行事を計画していることが発覚し、アフガニスタンやインドネシアで抗議が起きるなど波紋を広げている。イスラム社会との関係修復を目指すオバマ米政権も批判を強め、計画の中止を求めている。
計画したのは、同州ゲーンズビルの「ダブ・ワールド・アウトリーチ・センター」。「邪悪な宗教」であるイスラム教への抗議と、イスラム教の危険性についての啓発活動の一環として、コーラン焼却を計画したという。
報道によると、アフガンの首都カブール郊外では6日、数百人が星条旗を燃やすなどして抗議する騒ぎがあった。また、最大のイスラム人口を抱えるインドネシアでは、首都ジャカルタの米大使館前で大勢の人が抗議したという。
こうした動きに対し、アフガン駐留米軍のペトレイアス司令官は「アフガンでも世界でも、イスラム過激派が、(反米的な)世論に火をつけ暴力をあおるために利用する」とAP通信などにコメント。クリントン米国務長官も7日、ワシントンでの演説で「罰当たりで恥ずべき行為」と強く批判し、教会に自制を求めた。