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崩れた必勝リレー 弥栄・坂本君 神奈川2010年07月15日 第3シード弥栄が初戦で姿を消した。エースの坂本貴志君(3年)は試合後、「大舞台を楽しめなかった」と唇をかんだ。
同点で迎えた6回。坂本君は先発の佐野兼太君(3年)からマウンドを引き継いだ。今春から続く弥栄の「必勝リレー」のはずだった。 しかし何かが違った。「気持ちが空回りしていた」と坂本君。投球練習を見て異変に気づいたのか、野手も普段は「打たせていこうぜ」などと叫ぶのに、この日は「ゆっくり」「リラックスしろ」。違和感が消えないまま投じた球を、先頭打者に内野安打された。犠打を挟んで5連打を浴び、4失点。 原因は自分でもわからない。頭は真っ白になり、「何も考えられなかった」。 下手投げのエースが投げる直球は、地上約20センチから打者の手前で浮き上がる。 高校1年のとき、本格的に投手に転向した。169センチと小柄な体。もともとスピードへのこだわりはない。徹底的に下半身を鍛え、フォームを固めた。2年夏には先発マウンドを任され、チームを4回戦まで導いた。 迎えた最後の夏。坂本君は1イニングでマウンドを譲った。「楽しんで来い」。後を受けた大滝健児君(2年)に一言だけ、声をかけた。「自分にはできなかったんで」。苦笑いするその目に、涙を浮かべていた。(山本孝興) 神奈川ニュース
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