ブラフ・シュペーリアと言っても今となってはほとんどの人が知らないでしょう。
(英国製オートバイ、オートバイのロールスロイスを名乗る事を許されています。)
ちょっと前なら映画「アラビアのロレンス」に出ていたオートバイと言えば解って貰えたのですが、
今は「アラビアのロレンス」自体、銀幕の彼方におぼろげに見えるだけです。
ブラフ・シュペーリアSS100 ジョージⅣ
(ロレンス4台目の愛車、ロレンスは8台目の納車前日、7台目での乗車中、事故にあい、死亡。)
ブラフ・シュペーリアもまた、全ての乗り物の特性、最大速度の記録更新を目指しました。
ブラフ・シュペーリアSS100 パープル・ブラフ 191km/h(1937年)の記録を出した車両か、どうかは不明ですが、
初期の速度記録車です。
現在の速度記録車とは異なり、蒸気機関車の様な無骨さです。
1000ccのVツインエンジンを後輪リジット(固定)のフレームに積み、前輪はガーター・フォークです。
ガソリン・タンクは後部が絞られた円筒状、そのタンクは金属のベルト、3箇所で止められています。
マフラーが巨大なフィッシュ・テール・タイプでクローム・シルバーに輝くガソリン・タンクと絶妙なバランスを
成しています。
オートバイが純粋に速く走る事だけに専念出来た時代の宝石の様なバイクです。
当時でも非常に高価なオートバイでしたが、現在では約2800万円とデスモセディッチが
2台買える値段がついている物もあります。
ブラフシュペーリア 8/75 SS100 (6台しか作られなかった希少品)
ブラフシュペーリア SS100 (100と言う数字は時速100マイル(約160km/時)の速度を保障する印です。)
ブラフシュペーリア SS101 (2009年製)
この車両は
2009年に作られたレプリカです。
今、展示されているのは洋品店のショー・ウインドウですが、実際に走ります。(ロード・テスト済み)
しかも
ボンネビル・ソルト・フラッツでの速度記録への挑戦も予定されているそうです。
このバイクもまた、早く走るために生まれ、
その運命に従ってボンネビルを目指すのです。