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【記者コラム】さんしょの実(日向支局)

(2010年9月8日付)

 口蹄疫ワクチン接種後に家畜を殺処分された日向市の和牛繁殖農家の一部が6日、経営再開へ向け牛を導入した。競り落とした子牛を牛舎に運び込むときの表情は本当にうれしそうで、どんなにこの日を待ちわびていたのかが、痛いほど伝わってきた。空の牛舎の消毒はどんなにつらかっただろうか。それでも再び牛が戻る日を思い描いて汗を流してきた。取材中、農家の方の目に思わずにじんだ涙は、つらい日々を思い出してのものか、それとも牛のいる生活を再び迎えることができた歓喜のものか。真の復興への道のりはまだ長いだろうけど、大事な一歩は踏み出せた。この日、共有できた気持ちは大切にしていきたい。(功)