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無年金訴訟:「在日コリアン」の請求棄却 福岡地裁

 旧国民年金法の国籍条項を理由に年金を支給しないのは法の下の平等を定めた憲法14条に反するなどとして、福岡県内の在日韓国・朝鮮人とその遺族9人が、国に総額1億3500万円の慰謝料を求めた在日コリアン無年金訴訟の判決が8日、福岡地裁であった。田中哲郎裁判長は原告側の請求を棄却した。

 同種集団訴訟は京都と大阪の2地裁でも争われたがいずれも原告敗訴が確定している。

 訴えたのは、同県飯塚市や北九州市などに住む78~88歳の原告8人とその遺族1人。原告は日本の植民地だった朝鮮や日本で生まれ、出生時は全員日本国籍だった。しかし、1952年のサンフランシスコ講和条約発効で国籍を喪失。59年制定の旧国民年金法は、国籍条項で年金制度加入を日本国民に限り、保険料の納付期間を25年以上とした。

 国籍条項は82年に撤廃されたが、納付期間を過ぎているなどの理由で当時60歳以上の人は対象外とされた。86年の新制度で保険料の納付が25年に達しない人も年金給付対象になったが、原告側は「政府の広報不足で新制度を知らなかった」などで無年金状態になったと主張していた。

 一方、国側は「社会保障の対象を国民に限定するかどうかは立法府の裁量の範囲内」として請求棄却を求めていた。

 原告側弁護団によると、無年金状態の在日コリアン高齢者は全国で約4万人という。【岸達也】

毎日新聞 2010年9月8日 17時38分

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