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石川のニュース 【9月8日03時37分更新】
ナノテクで食品分析 先端大の平助教、微粒子で多様な物質検出
平助教が開発した分析法「Nano−PALDI MS(ナノパルディ)」は、対象に レーザー光を当て、飛び出した分子の重さで物質を特定する「質量分析法」の一種。 酸化鉄分子を核とした直径5〜6ナノメートルの微粒子を用いて、従来の分析法では測 れなかった分子量200〜400の低分子から分子量1万以上の高分子まで、一回約10 秒の測定で検出できるようにした。 ナノテクノロジーは医療分野での応用が盛んで、平助教もこれまで、ナノ微粒子を用い てがん細胞だけに抗がん剤を届ける研究を進めていた。食品分析への応用例は少ないが、 平助教は、多種多様な物質から成る食べ物を分析するのに適しているとみて研究に取り組 み始めた。 平助教によると、これまでの食品分析科学は、物質と体への作用を一対一に対応させる 考え方が主流だったが、実際には、物質の組み合わせなどによって作用が変わることがあ る。ナノパルディの分析では食品の組成を一挙に調べられるため、そうした仕組みの解明 に役立つことが期待されるという。 平助教は、日東電工(大阪市)と共同で独立行政法人科学技術振興機構の助成を受け、 ナノパルディを用いた本格的な食品分析に取り組んでいる。現在、薬用ニンジンを素材に 分析実験を進める平助教は「食べ物の何が、どうして、どのように体に良いのか。それを 明らかにする手法を確立したい」と話した。
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