記事入力 : 2010/09/06 16:06:32
【コラム】田舎旅行の理想と現実(上)
先日、智異山方面に出掛けたときの出来事だ。この驚くほど高慢で不親切な態度に、開いた口がふさがらなかった。見送りに来てくれた知人が、「近くの河東ターミナルに電話してみたら」とアドバイスしてくれた。地方のターミナルや停留所には、時間ごとに決まった座席数が割り当てられているが、現段階で満席でも、前のターミナルで空席が生じれば、こちらのターミナルで乗車可能ということだった。紆余(うよ)曲折の末、何とかバスに乗車することができた。途端に、ふつふつと怒りが込み上げてきた。予約を受け付けるのが面倒だからと「予約せずに直接来ればよい」と言っておきながら、当日になって、「知ったことか」とはねつけるとは、どういうつもりか。消費者をなめ切ったその態度に、腹が立って仕方がなかった。
知り合いにその話をしてみたら、全国至るところで同じような経験をしたという話が次々に出てきた。「自然と一体になれる山奥のペンション」ということで、1泊15万ウォン(約1万600円)を払って予約したのに、訪れてみたら、コンクリートの塊のような建物に安い旅館以下の内装。宿泊をキャンセルしようとしたら、2泊分の料金を払えと言われたという。また、都合が悪くなって予約をキャンセルしようとしたら、入金済みの代金は返せないと言われたという話、「バーベキュー施設完備」と書いてあったため肉を持ち込んだところ、施設利用料と木炭代で何万ウォン(1万ウォン=約710円)も取られたという話…。
国は公共交通機関の利用を勧めているが、地方の小都市でバスに乗る場合、不便な点を挙げたら切りがない。例えば、支払いにカードが使えないターミナルは全国で数十カ所に上る。利用者数が少ないからとのことだが、そんな場所ではATM(現金自動預払機)も見当たらない。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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