北朝鮮、水害支援でコメ、セメント、掘削機を要求(上)

 韓国統一部は7日、北朝鮮が今月4日に赤十字社のルートを通じ、韓国が水害支援物資を北朝鮮側に提供する場合には、コメ、水害復旧に必要なセメント、自動車、掘削機などを提供してほしいと申し入れてきたことを明らかにした。これは韓国の大韓赤十字社が先月26日、非常用食糧、医薬品など100億ウォン(約7億1000万円)相当の支援を北朝鮮側に提案したことに対する回答だ。

 問題は、北朝鮮が軍事用に転用する恐れがあり、韓国政府が提供に消極的なコメ、セメント、掘削機などを要求してきた点だ。重機やセメント、鉄筋などは2006、07年の北朝鮮に対する水害支援の際にも論議の的となった。韓国大統領府(青瓦台)関係者は、「北朝鮮は今後の南北関係に対する韓国の態度をテストしようとしているようだ」と指摘した。

 韓国政府は今回の要求をある程度は受け入れる姿勢だ。特にコメに関しては、「前向きに検討する」(統一部関係者)といった声が優勢だ。北朝鮮が韓国にコメの提供を公式に要請したのは、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権期の07年4月以来3年5カ月ぶりとなる。安全保障当局者は「われわれが今回提案した水害支援規模(100億ウォン)の範囲内のコメであれば、前向きな検討が可能だ」と述べた。統一部によると、現在コメの国際価格は1トン当たり88万ウォン(約6万3000円)、国内相場は同150万-190万ウォン(約10万7000-13万6000円)で、100億ウォン分のコメを提供する場合、外国産米で1万1000トン、韓国産米で6000トンに相当する。

 しかし、掘削機など重機の支援に関しては、否定的な意見が強い。政府内部の動きに詳しい北朝鮮問題専門家は、「掘削機など平壌市の現代化、都市美観改善など北朝鮮のエリートのために使われる物資を提供することはできない」と述べた。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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