韓国の学者が語る日本の風水(上)

「風水は自然と人間の調和」

『朝鮮風水、日本を論じる』の著者キム・ドゥギュ教授

キム・ドゥギュ教授は「しばしば権力を夢見る者たちが、使いをよこして明堂(風水で良いとされる場所)を聞きに来るが、そのたびに、そんな場所が分かれば、真っ先に自分がそこへ祖先の墓を建てるだろうと言って送り返します。風水の誤用が深刻なレベルに陥っています」と嘆いた。/写真=チョン・ギョンニョル記者

 「わたしの学問的な立場は、韓国の風水が置かれた状況と似ています。来いと言ってくれるところは多いのですが、実際は、わたしの所属は不安定なのです」

 ドイツでドイツ文学の博士号を取得し、帰国してから風水の世界に飛び込んだキム・ドゥギュ教授(51)は、全州の又石大学教養学部で教壇に立っているが、そこに風水学科はない。「一度だけ哲学関係者から『直観』をテーマとしたシンポジウムに呼ばれたことがあるが、それ以外には主に造景学会で風水学の研究成果を発表しています」

 キム教授は、義兄で元ソウル大学教授の崔昌祚(チェ・チャンジョ)氏(60)が起こした風水ブームが失敗に終わった理由をよく知っていた。「西洋的な考え方と科学観が支配的な状況で、十分な方法論的説明なしに風水を前面に出したため、一般の人々も最初は強い好奇心を持ったが、内容が一貫していなかったため、興味を失ったのではないかと思います」

 そのため、キム教授は『韓国風水の虚と実』『わが国、わが風水』などの著書を通じて、韓国の風水学が置かれた現実を取り上げる一方で、『朝鮮の風水学者の生涯と論争』『韓半島(朝鮮半島)風水学辞典』などの著書を通じ、朝鮮の風水理論と概念を整理した。朝鮮時代、風水家を選抜するための試験に使用された教材なども、現代の言葉に翻訳し、『キム・ドゥギュ教授の風水講義』と題する現代人向けの入門書も執筆した。

 「風水をめぐる神秘主義から抜け出すべきだと考えました。風水は将軍たちが戦争を行う際の『軍事地理学』であり、都城を建設する際は『人文地理学』でした。徹底して風水に基づいて都を決め、王宮を建設した人々が、まさにわれわれの先祖たちです」

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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