韓国の大学教授、3割は年間1本も論文を書かない!?(上)
先日、ソウル市内のある私立大学を定年退職したA教授は、この大学に勤務していた26年間に3本しか論文を執筆しなかった。しかも、定年になる16年前からは、執筆した論文の数はゼロだ。この教授の講義を受けたことのある学生は、「休講が多いし、講義のときも酒を飲んでいるような行動や話をすることがあった」と語る。しかしこの教授は、大学側から一切の制裁を受けることなく、学科長を務め、名誉教授にもなった。
「勉強しない大学教授」の実態が数字で明らかになった。国会教育科学技術委員会の徐相箕(ソ・サンギ)議員(ハンナラ党)が韓国研究財団から提出された資料を分析したところ、大学の専任教員のうち、3人に1人は年間1本の論文も執筆しなかったことが、6日までに分かった。
■芸術やスポーツ分野では68%が論文を執筆せず
この調査によると、2008年の時点で全国の大学209校に勤務する専任教員(教授、副教授、助教授、専任講師など)6万3354人のうち、学術誌に論文を掲載しなかった割合は35.5%(2万2499人)に達した。
そのうち1万9900人は著述の実績もなかった。専任教員全体の31.4%は論文1本、本1冊も出さずに1年を過ごしたことになる。論文や著述の実績がまったくない専任教員のうち、ソウル大学、延世大学、高麗大学など、主要10大学に勤務する2512人について、徐議員の事務所でその実態を調べたところ、定年が保障されている教授はそのうち1482人で全体の59%を占めていた。
SCI(科学技術論文索引)クラスの論文や韓国研究財団に登録された学術誌、あるいは登録予定の学術誌、海外の学術誌などを含む「専門学術誌」に範囲を限定すると、論文を1本も執筆しなかったのは2万5627人に達し、全体の40.5%にまで比率が跳ね上がる。
大学別に見ると、年間1本も論文を書かなかった教員の割合は高麗大学が20.2%、西江大学28.9%、ソウル大学19.9%、成均館大学19.9%、延世大学21.2%、漢陽大学24.8%だった。国公立大学(29.2%)よりも私立大学(38.2%)の方が割合は高かった。
論文を書かない専任教員の割合を分野別に見ると、芸術・スポーツで68.5%、人文学51.1%、社会科学39.6%、工学29.8%、自然科学26.4%、農水海洋学26.0%、医薬学18.0%の順となった。