ゲーム操作 新市場萌芽 家電・医療…応用へ開発競争 (1/2ページ)

2010.9.8 05:00

 イスラエルのIT(情報技術)ベンチャー企業「XTR」が、画面に触れずに身ぶり手ぶりでゲームソフトなどを操作する「モーションコントロール」の新技術を開発した。パソコンに接続する市販のウェブカメラで細かい動きをモニター画面に反映させられるのが特徴で、来年4~6月にもゲーム機などへの搭載を目指す。モーションコントロールは任天堂の家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」で知られるようになったが、今後は家電や医療機器など幅広い分野で利用が見込まれ、成長市場の取り込みを目指して技術開発の動きも加速している。

動きでコントロール

 XTRは、イスラエルのテルアビブで2005年に設立されたベンチャー。同社のモーションコントロール技術は、ウェブカメラで人間の動きを把握するソフトウエアが特徴。カメラで撮影した人間の動きを3D(3次元)技術で捕捉すると同時に、奥行きについても分析し、利用者の動きを正確に把握して画面上に反映させる仕組みだ。

 これらの処理をソフトで行うため、専用のコントローラーやカメラも不要で、精度も1ミリ単位の誤差しかないという。ソフトを電子機器にダウンロードするだけでモーションコントロールを利用できるのも売りだ。

 XTRのドー・ギボン最高経営責任者(CEO)は「専用の機器を使わないのでコストがかからない。他の技術と比べた際の優位性は明らかだ」と強調。XTRではゲーム機器のほか、テレビなど家電メーカーにもソフト搭載を働きかけている。

 モーションコントロールは、任天堂が06年に発売したWiiに搭載されたことで認知度を得た。ゲーム機の常識だったボタン操作ではなく、身体の動きで操作する新しさが高齢者や女性らにも訴求し、全世界で約7400万台(6月末時点)を販売するヒット商品となった。

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