「もしもーし、芦別駅で5人がケンカしています!」「ふーん。で、君はミウラ君かな。ウソの通報だね」
使用した複数の偽名まで警察に覚えられ、最後にはウソの通報と見抜かれていた17歳『北海のオオカミ少年』の逮捕容疑は、今年の7月6日〜8月27日、北海道警芦別署の代表電話に「駅前で5人の男がケンカしている」「コンビニで強盗被害にあった、すぐに来てほしい」などなど、計約2100件もの虚偽通報を繰り返し、芦別署員を112回も現場に出動させた疑い。容疑を認めているという。
同署によると、少年のウソ通報は、そのほとんどが午後5時45分以降の当直体制に入ってから始まり、深夜1時〜2時に及ぶことも多かった。8月20日は、一晩で532件のウソ通報があったという。
人命にかかわる通報内容だと、「またコイツか」と分かっていても出動せざるを得ないのが警察の辛いところ。「普段はクマの出没や交通事故の通報ぐらいしかない平和な町」(芦別署関係者)を管轄する芦別署は、少年のウソ通報でテンヤワンヤの大騒ぎとなってしまった。
怒り心頭の同署は「ミウラ」「スズキ」など、少年が使用する偽名をチェックし、少年のウソ通報がある度に「通報はウソだろう」「番号通知でかけてみろっ!」などと挑発する作戦に出たところ、これがビンゴ! 頭に血が上った少年は、それまでの非通知から番号通知でかけ直してきた上に、本名まで名乗ってしまい、ご用となった。
少年が使用していた携帯電話は計4台、通信会社も名義もバラバラだった。警視庁渋谷署、大阪府警東署、沖縄県警那覇署の全国4都道府県にも同様のウソ通報をしまくっていた。その数はすべてを含めると計約3000回にのぼるとみている。
その動機は、警察に恨みがあったのか、単にヒマだったのか。『北海のオオカミ少年』にカンカンの同署は、「これから詳しく取り調べる」と話している。