人選が難航していた浅田のコーチに、世界的な名指導者の佐藤氏が決まった。一時はコーチ不在のままシーズンを迎える可能性もあったが、今季初戦まで1カ月を切って、ようやく新体制が固まった。
浅田が日本人に師事するのは2005〜06年シーズンの山田満知子コーチ以来5季ぶりだ。昨季はタラソワ・コーチの指導を受けるためにモスクワを訪れることもあったが、後任を探すに当たり、浅田は国内に練習拠点を置くことを前提とした。中野友加里が昨季限りで引退し、師事する女子のトップ選手が不在となっていた佐藤氏は数少ない候補だった。
浅田は4年後のソチ五輪での金メダル獲得を目標に掲げ、現在はジャンプの見直しに着手している。佐藤氏は滑りの基本を重視する指導者として知られており、「ジャンプの浅田」というイメージが強いスケーターから新たな特長を引き出すことも期待できる。
40年以上のコーチ歴に裏打ちされた佐藤氏の指導は的確で論理的との定評があり、中国やフィンランドなど海外から臨時講師の依頼が寄せられるほどだ。今月25日で20歳の誕生日を迎える浅田にとって、豊富な経験を持つ名伯楽は、まさしく適任と言えそうだ。