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論客の勘違い(1)情報学ブログ(中)
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2010/ 9/ 7 22:50 [ No.3743 / 3747 ] |
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┌〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○SSFSさんのコメントへの応答
コメントありがとうございます。
門前の小僧さんのコメントの中にあった、立証責任のルールについては、「検証」一般の議論として、説明しました。本文では、「科学の方法論」という形でひとまとめにしており、本題とは無関係だからです。ただ、おもしろい話題だとは思いますので、思ったことを書きます。
おっしゃる主張について今まで考えたことがなかったので、結論については保留にしますが、納得いかない点があります。
まず、現象と理論は区別するべきだと思います。現象は、帰納によって経験的に正しさが分かります。これに対し、理論は仮説推量によって分かるものであり、経験だけでは正しさが分かりません。
さて、高温超伝導は、現象であり、科学的に示すのにメカニズムの理解は不要です。このため、メカニズムが分からなくても現象が独立した発見となったのです。一方、大陸移動説は理論であり、仮説が現象を説明するというだけでは、正しいと考える根拠となりません。そこで、メカニズムなどを示すことが必要です。実際、大陸移動説は、メカニズムが分かるまで受け入れられていなかったのはこのためです。異なる例を恣意的に結びつけて、「立証責任のルールなどない」とおっしゃっているようですが、これには賛同できません。
一方、本文で書いた「科学の方法論」というのは、科学のコミュニケーションのルールの一種であって、論理体系のようなものではありません。だから、裁判と似たようなことが行われていても、何ら不思議なことではないと思います。
> ニセ科学批判者は怠惰なうえ、居丈高な発言を繰り返すだけです。 > これは情報学ブログさんご自身がつい最近経験されたことだと思います。
自分は、ニセ科学批判の問題というより、Webでは「斜め読みして適当に批判する」っていう人が多いことが原因だと理解しています。これはニセ科学批判かどうかには関係ないでしょう。ブログで「科学的ではない人がいたとしたら…」「科学を受け入れてない人にとっては…」こういう話を書くと、見当違いの反応が返ってくるということは良い勉強になりました。
投稿: 情報学ブログ | 2010/08/12 0:52:56 └〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
kikulogで嫌な目にあったはずなのに、ブログ主はお人よしですね。それはいいとして、立証責任のことは不案内なようです。そこで追コメント。
┌〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 もう一度強調しておきますが、科学には「新しい説を提唱する側が立証責任を持つ」というルールなんて存在しません。科学のどんな教科書にもそんな文言はないはずです(一応、かなりチェックしました)。ニセ科学を排除するための主張を過度に一般化したため、結果として誤った主張になっています。
高温超電導について言えば、提唱者はこの分野の素人だったため、実験に致命的な不備がありました。 http://www005.upp.so-net.ne.jp/yoshida_n/kairo14.htm
この分野に底意地が悪い科学者が集まっていたならば、「お前の説は根拠が不十分」と斬り捨てて終わっていたはずです。実際には多くの科学者が関心を持ち、提唱者の「立証すべき責任」を度外視し、みんなでよってたかって追試をして不備を補い、ノーベル賞をとらせてあげるに至りました。みんなして役に立つ知見を積み上げるのが、あるべき科学の姿でしょう。
大陸移動説についても、提唱者のウェゲナーは立証できなかったのに、その後のメカニズムの解明で提唱者としての栄誉を受けています。これは提唱者に「立証責任のルールなどない」の立派な証拠です。
最近の事例では、人為的な温室効果ガスの排出による地球温暖化説が挙げられます。これも提唱者は19世紀の科学者だと言われていますが、さっぱり検証されていないのに、広く世の中にまかり通っています(それはそれで問題ですが)。とにかく、科学の世界に立証責任のルールはありません。(続く)
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